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2014年07月08日22:28

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エンジンを動かす−ディモナ、2発目(2)

「日常点検(DAILY INSPECTION)」と「飛行前点検(PREFLIGHT INSPECTION)」が終わると、いよいよコクピットに乗り込んで「始動前点検(BEFORE START CHECK LIST)」を行うこととなる。
これも、普通のグライダーに比べて手順が多く、15項目に及ぶ。

1.Pre-Fight Inspection……Complete
2.Weight & Balance……Check
3.Fuel Valve……Open
4.Rudder Pedals……Adjust
5.Seat Belts & Harness……Fasten
6.Controls……Free
7.Air Brakes……Check & Lock
8.Flight Instruments……Check
9.Altimeter……Set
10.Elec. Switches……Off
11.Turbo Control Unit……On (Guard)
12.Circuit Breakers……In
13.Trim……Set
14.Parking Brake……Set
15.Canopy……Close & Lock

このうち、3、9、10、11、12、14は、普通のグライダーには無いものだ。

こうして、やっと「エンジン始動(STARTING ENGINE)」のチェックリストに入ることができる。
これも、15項目もある。これらは、もちろんグライダーには無い手順だ。

1.Master Switch……“Switch On”
2.Mode Select Switch……Power Flight
3.Warning Lights……Check
4.Fuel Indicator……Check
5.Cowl Flap……Open (push)
6.Carburetor Heat……Off (push)
7.Propeller Control……Take Off
8.Throttle……Idle
9.Choke……[cold start-On (pull)]
10.Fuel Pump……On
11.Fuel Warning Light……Out
12.Propeller Area……“Clear”
13.Ignition……Start
14.Throttle……1000 rpm
15.Oil Pressure……Check

フォト


6番目くらいで汗が噴出してきてタオルを顔にあてたら、教官も暑かったのか、
「ちょっとキャノピーを開けましょう」
ということになった。

というわけで、始動前点検の15番目で行った「キャノピー閉」を解除して、エンジン始動手順の11番目の「燃料警報灯の消滅」を確認してから、再度、キャノピーを閉めた。

イグニッションを回すと、暖かかったせいか、一発でエンジンが回った。

この手順を見ると、「キャブレーター・ヒート」とか「チョーク」とか、車のエンジンでは見られなくなった項目もある。「チョーク」付きの自動車を運転したことのある人など、何か特殊な車を運転したことのある人か、相当の年配の人くらいだろう。航空機のエンジンは、原理的にはかなり旧式の形を留めている。

フォト


エンジンがかかってからも、やることは多い。
機体を移動させる前に、以下のチェックを行わなければならない。

■AFTER START
1.Anti Collision Light……On
2.Fuel Pump……Off
3.Fuel Warning Light……Out
4.Radio, Nav……On & Set
5.Transponder……SQ1200(VFR) Stand by
6.Choke……Off (push)
7.Attitude indicator……Check
8.Directional Gyro……Set
9.Ammeter……Check (+ side)
10.Oil Temperature……Check (green band)

■ENGINE RUN-UP
1.Parking Brake……Set
2.Throttle……1600 rpm
3.Magneto Check……Drop 50〜150 rpm/ Max Diff. 50rpm
4.Carburetor heat Check……Drop 20 rpm
5.Throttle……2000 rpm
6.Propeller Control Check
……Cruise (pull to cam before Feather)
……Drop 100 rpm
……Take Off   ★ repeat 3 times
7.Throttle ……1000 rpm
8.Engine Instruments ……Check

フォト


個々の手順は、リストを見ながら行う。
しかし、パイロットとしては、ただ手順どおりにチェックが出来るだけではダメで、それぞれのチェック項目の意義を理解していなければならない。
・この項目が、ここでチェックされるのは何故か?
・マニュアルどおりに動かない機器があった場合、どのように対処したらよいのか?
そうしたことにも「答」を持っていなければならない。そのためには、飛ぶ前にマニュアルを熟読して理解していなければならないし、マニュアルに書かれていないことは、操縦用のテキストなどから学ばなければならない。

というわけで、動力付きの機体は、飛ぶ前が大変なのである……。

(つづくかも)

■ディモナ、2発目
(1)飛行前点検
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1929144818&owner_id=2312860

■初ディモナ
(1) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1926088425&owner_id=2312860
(2) http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1926306156&owner_id=2312860

■ディモナ曳航
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1924102104&owner_id=2312860

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