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日記一覧

無限の無から有限の枠に、有ることポンと飛び出た硝子玉は滑り落ちながらなめらかになり回転はおさまり辺りが見え始めたところで光は緩み枠の外へ 有限の枠は消え無限の、無へ

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目に映りこむ貴女を貴女と信じても もっと確かめたくて抱きしめて 環の中に入るふたりの姿を ひとりの私の目に映して 同じ世界にあることを 確かなものと望む 微笑みかける貴女  は私の望む像 微笑みかける私  は私の望む像 離れて行くふたりの 後ろ姿のま

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『金環蝕』
2013年11月22日14:35

太陽と月の交わる日金の指環の約束を忘れることなく輝かす 太陽に包まれた 月の後ろ姿の幸せの 涙に潤む一瞬をまぶたに焦がす 重なりの刻

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大量生産製品を多者択一で摘まみあげ 足元から隙間なく積みあげると 摘まみあげた者のクローンが出来上がった クローンは本物の目を盗み 自分と本物の目をすげ替えた 本物の持ち物は半分自分の物 自分の本物は半分 本物は半分自分の本物 本物の半分は半分本物

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『蒼炎』
2013年11月20日22:58

秋寒の夜カラの金属は沈黙に進み変哲のない道がおとぎ話を響かせる何かの視線にさらされる感覚都会の色に染まるはずの山際は黒を蒼くにじませ山は深く闇に眠っているふと頭上の眼差しの先に 月八方に広がりはりつめる絹布しばしの唖然に口を白く息がもれる 胸

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このところ詩の題材に悩むことも少なくなった目の前のタバコの箱が半開き   ・・・・・・・・・・・・  細い体を覗かせて  俺とどっちが細いか見くらべてるが  そっぽを向いて箱にうずくまった答えがどっちなのか タバコは男なのか ってことは俺は女かま、どっち

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子供の頃は家にはサンタは来ないと知ってはいたけれど。(シャン、シャン、)明日はくはずの穴の開いた靴下をバレないように敷布団の下に敷き、(エヘン、)不思議な力で何か入るんじゃないかと朝起きてコッソリのぞく。(カラン、コロン、)今、子供の枕元に小さな

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つめたい風が耳を鳴らす 水平線には雲が降りている 突然思い付いたゴールデンウィークは 小さな島の蕎麦屋 長い橋がなんでもない島に渋滞をつくる 退屈な車内にもとりあえずの想い出話が列をなした 対向車に思わぬ仲良しの顔を見つけ 妻と二人の車内にはずむ

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『満ちる潮』
2013年11月18日22:53

月は地球に寄り添ってほおずりしたいのに近づき過ぎると地球を壊してしまうから遠くで行ったり来たり近づいて大きくなった月の顔は哀しい 「だめ、これ以上は。さよなら、また来るわ。」涙を隠して去る直前の月に地球の海は涙で溢れそうになる

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お爺さんは年寄りくさいのが嫌いでホームでは友達がいないこのところ話す意味もなく食べるとき以外は口を開けない うつろな目で見る鏡に嫌いな年寄りくさい男が映っている 人間をあきらめようとした頃 うしろから聞き覚えのある歌が老人たちが腕を振りながら

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『素浪人』
2013年11月18日02:57

冷たくからびた唇を大粒の雪があざ笑う木の橋はわずかな肌を残して凍っている頬のこけた素浪人が袖をはためかせ角張った肩を風に突き立てるとわらじは死に向かって確かに進みはじめた陽はうすく西に傾いている橋のたもとに潰れた蒲公英がけなげで脚を止めしば

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『海の愛し方』
2013年11月17日22:41

海水から生命はうまれたというのに陸上の生命はなぜ海で溺れるのか なぜ怖いと感じるのか海から上がった生命は こんな街なんか出ていってやると言って消えた若者のように海を捨てた遠い記憶がよみがえり心もとない気持ちになるのだろう海は私たちのことを忘れ

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『極小の極大』
2013年11月17日18:54

目を奪われる一点を見つめると、テーブルに落ちた絵の具の小さな滴が干からびている。近づいていくと、そこは顔料で塗りつぶされた広大な黒で、周りは見渡す限りの地平線に囲まれている。自分の目がこの辺一帯を見つめている筈なのだが、空は眩しくて白い。私

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大舞台に結集した二つの力の衝突 今、拮抗した熱のど真ん中に杭が打ち込まれようとしている打ち上げられた魂が強く青い空へと願う放物線の届く先は−ZERO喝采か溜め息か逆転する世界の緊張の境目で摂理に流されながら地を目指すどよめく世界に置き去られた魂

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今日も鉛が降りつづいている重く冷たい灰色のしずくが高い空から俺たち目がけて落ちてくる広がっているはずの青い空はひしめく厚い雲に阻まれかがやく陽の欠けらさえ見えない打ちひしがれたお前の目にはただ黒い明日が映るだけ残されたわずかな道のりを進む力

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たくさんの星が目の前で小さく燃えて 僕らのディナーを彩っている! 工場で正確にしくまれた電飾や ノーテンキで電気仕掛けの鐘の音も しらじらしい作り物では喜べない おむすび持って静かな山で 君と二人でクリスマス 意味なんて知らない 僕らの今に入り込め

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『写真』
2013年11月14日21:18

偉そうに見下す私が無表情 母に抱かれているのか 誰がカメラを持ったのか和服にくるまれた赤ん坊の写真 私の細い目はワシ鼻の私を覗いている「成長したか、」どうだろう「母を頼むよ、」写真の私が年上のように見えて        *黄色いTシャツに仮面ラ

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『いつも、月』
2013年11月14日18:25

月が目のウラの遠くで微笑んでる仲秋の名月以来ちゃんと見てないあんなに美しく僕をひきつけたのに忘れててごめん毎日様子を見にきてくれてるんだよね昨日ちらりみつけた月は遠かった 今日また目を合わせよう雲があってもあわてない太陽の愛をうけてるお顔は

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『まあ、たまには』
2013年11月13日21:36

ポークカレー発売中!の貼り紙につられて店に入ると、小っちゃくて可愛らしいお姉ちゃんがハキハキと対応してくれた。以前寄った時にはまだ、新人ちゃんかなぁ?と思ったのだが、もう既に一年が経つ。このお姉ちゃんもがんばるなぁ。牛ばかりじゃインド人が食

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『矢印』
2013年11月13日02:49

交差点を知らぬ顔で すれ違う人々の影が 大きなカタマリになり 私の目の前に立ちはだかって この道のゆく先が見えない あの人の庭と その人の部屋と この人の街と あの人の川と その人の空と この人の海と ささいなカサナリが広がり 全ての人々の世界がツナガ

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『高い空へ』〜或返詩
2013年11月09日22:20

ことり、とアミ戸が鳴って うつろな笑顔でふり向くと窓枠に切り取られた高い空に鳥が懸命にはばたいている (そんなにがんばらなくても、)からになった勉強机に目をやると引出しに貼られたキティのシールがこちらを向いておすまししている鳥はいつの間にか窓枠

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季節の花の散るたび 風に浮かぶ指先の白さ ささやかな言葉のゆらめきに 私のかたくなは踏み出せず 背を向ける涙を見おくった 終わりのない石ころの道に また、冷たい雨が降る

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帰り道にライトをあてて先ほどの声の顔を思い出すラン、とした電話に扉を飛び出して手を振る君の夜中なのに光に満ちていてずいぶんと勝手な想像に対向車のいたずらなハイビーム 君がひとりに流されないよう明日をヨムいつまでも君が咲いていられるように夜空

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感じたままを綴る、とよく、目にするのです。そんなこと出来るんですかぁ?! と思ってる訳もなく、通過。 自分の感覚をそのまんま文字という形にして、しかも、詩にしてしまう力があるのなら凄過ぎるのです!湯のたぎるヤカンに触って障ってウわチっ!、伝わら

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昔むかし、テレビの中にメルモという<アッチョンブリケ!>なピノコに似た女の子が住んでいました赤と青のキャンディを持ち歩いていて赤を飲むと成長して<エッチ!>とか、青を飲むと<オギャー!>とか、不思議なメルモちゃんな訳ですが赤と青を幾つも組合

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『時の花』〜或返詩
2013年11月07日11:06

愛の言葉は種のようで 食べられない、と天袋に投げ入れた少年 時を隔てた小さな箱で雨もりに悩むころ 忘れていた、遠い時の種が芽をふく 愛を包んだあのひとはもう居ない 引き戸を開けて顔をだす面影 体に優しく根をはっていく言葉たちに 思い出の白い花がひ

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命に無限はなく有限に支配されているということは分かっているが1+1=3になる訳もなく 1+1+(1)=3になる筈で(1)は0から生まれる訳もなく(1)はどこかにある筈で 1=0になるとは思えない1=0.0001+0.0001+・・・・・・ であったとしても

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寒気の誘いに津軽の里は閉ざしている山の裾野をのぼる冷たい風にまぎれ襤褸をはおった詩人が佇んでいた彼は神のようであり無にも等しいひとつめの雪が空を伝って降りるのを まばたきもせず遠い目に映している白が舞う薄れた瞳の中で 小さな村はさらに小さく

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雀の囀ずりと陽の光が爽やかで、私は目を擦りながら出勤なの。おはよう、と毎朝あの人は私に笑顔を呉れるのだけど、何故?なの。私は首を傾げて、前日より湿度の高い交差点を抜けて、会社の硝子張りの事務所の玄関の扉の引手を引いて就業の挨拶。次の日も、ど

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泉の水に浸るあいだに得られるものは飛び込む際に顔にかかった今のしぶきと、弾けた泡からもどった数秒前の過去の空、取り込もうとする異物に対する肉体の抵抗日常を切断して作り出すエネルギーが打ち合わせもなく保守の熱にたぎりだす岸辺に寝そべる私の姿が

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