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2013年11月05日05:30

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『出勤』〜返詩で繋ぐ詩集より


雀の囀ずりと陽の光が爽やかで、私は目を擦りながら出勤なの。

おはよう、と毎朝あの人は私に笑顔を呉れるのだけど、何故?なの。私は首を傾げて、前日より湿度の高い交差点を抜けて、会社の硝子張りの事務所の玄関の扉の引手を引いて就業の挨拶。

次の日も、どうして?な微笑みをもらい、昨日より汗が滲み出て空気がじめじめ。ガラス張りのオフィスのドアの前まで着いたところで、微笑みのあの人が開けてくれたの。その時手渡されたのが海老フライ弁当。はてな?なの。

次の日は、雨がどしゃ降りで、裸足で歩いてると、笑い顔のお兄ぃさんが、ダッコしてくれてガラス張りまで運んでくれて、え?なんだけど、そうっと下ろしてくれたの。私は手を振ってスカートを振ってニッコリ。

そして次の日、水の中を泳いでいると、にんまりの僕ちゃんが網で私を掬って水槽にボチャン!あれれ?なの。干しエビをパラパラ撒くと、美味しそうな香りがして、パクパク、ピチャピチャ。僕ちゃん、大きな顔でにんまり。私はヒレをふってゆらり。

あぶくの音と蛍光灯の光が優しくて、私はおめめをパチリと開いて、ほら、見て見て!尾びれが綺麗でしょ。



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