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2022年01月27日17:48

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フレデリック・ルノワール『仏教と西洋の出会い』

 フレデリック・ルノワール『仏教と西洋の出会い』(今枝由郎・富樫瓔子訳、トランスビュー、2010年)を読了。ルネサンスと近代社会が到来して以来、西洋は幻想と情動的な身体、人間精神の非合理的な部分を抑圧した。西洋人は外面的な宇宙や現象の探求を優先し、自分の内面的な世界や意識についての奥深い探求を忘れた。
 彼らは自らが抑圧したものに通じる手掛かりを失い、それをもう一度見出したいと願うようになり、その期待に応えたのが仏教だった。仏教は近柔軟性が高かったので、代的な合理性と化学的な批判精神にも抵触せず、西洋人の求めに順応できた。
 宗教的な感情と魔術的な思考が再発見された十九世紀末は、敬虔かつ秘教的な用語で解釈された。個人的・心理的・身体的な体験に力点が置かれた一九六〇年代は、心理的・身体的な瞑想の実践として受容された。新たなる倫理的な指針が求められた二十世紀末は、普遍的な価値についての世俗的な叡智として評価された。
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