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2015年01月17日00:08

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俊蔭-宇津保物語

会社の近くのデパートの催し物コーナーで古本市をやっている。
立ち寄ってみると、有朋堂文庫の『宇津保物語』の上・下揃いが千円で売られていた。
有朋堂文庫は、大正から昭和の初期にかけて国文学の名作を網羅していた叢書。主に江戸期の版本など底本としている。新書程度の大きさなので、電車の中などで読むのに便利だ。

残念ながら、僕が知る限りでは、『宇津保物語』は文庫本では出ていない。とすれば、この本は貴重だ。有朋堂文庫の素晴らしいところは、製本がしっかりしているところだ。80年以上前に作られた本だが、今でも充分に読むに耐える。

会社からの帰り道の電車の中で、この物語の第一話にあたる「俊蔭」を読み終わる。
荒唐無稽な伝奇的物語と、平安貴族物語的な優美な世界が織り交ぜられていて、不思議な感慨を抱いた。
伝奇的という意味では、「竹取物語」に近い部分もある。
風雅を描いている点では、「源氏物語」の先駆という評にも頷けるものがある。

一般的には、この『宇津保物語』は、我が国最古の「長編」物語であり、竹取物語と源氏物語の間をつなぐものとされているようだ。この不思議な物語の中に、我が民族の歴史や意識のどのようなものが描かれているのか、もう少し読み進めてみたいと思った。

ちなみに、有朋堂文庫の『宇津保物語』の電子版は、以下で読むことができる。

■近代デジタル
・宇津保物語(上)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1018114
・宇津保物語(下)
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1018124

フォト


■有朋堂文庫「宇津保物語」
http://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/64026f367a94c61e9d529a938121847c
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