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2006年07月24日00:12

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航空部の歌(3)

死線を越えて限りなく
青空高く君と吾
何のうらみのあるものぞ
命ささげて靖国の
祀りの神となるものを
ああ快なるや航空兵
http://www14.plala.or.jp/senyou47/newpage4.html

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「航空部の歌」の元歌である軍歌「航空兵の歌」ですが、
インターネットで探しても、それほど多くの情報には当たりません。
上は、我が航空部で伝えられている「2番」と若干の異同があります。

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この歌を「部の歌」とされた方々の「こころ」というものを、僕は直接には知りません。前にご紹介したW氏にしてみれば、

「航空部員たるもの、平時においても戦時の航空兵の心意気を覚え、
真剣に飛べ」あるいは、
「永く平和の世にあっても、命がけで空を飛んだ諸先輩のことを
忘れるべからず」ということだったのかも知れません。

戦後60年を経ても、この歌を「部歌」とし、折触れては監督あるいは総監督の指揮の下に唱和する我が航空部は、この「こころ」を比較的きちんと受け継いでいるかも知れません。

もっとも、かつて航空部関係者が集って呑めば、周囲から「右翼団体」と間違われるといったこともあったようですが(笑)。

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僕が学生だった頃には、大晦日の夜に独身OBと航空部4年生が六本木某所に集まり、年が明ければ靖国神社に詣でるという恒例がありました。僕の親戚では、伯父などが召集されていましたが幸いにも戦没者はなく、参拝するとなれば「大空に散華された諸先輩」のことを想わざるを得ません。

僕自身の政治的な信条から言えば、天皇制を積極的に肯定する考えはありませんでした。更に言えば、「靖国神社」のようなものも、一種の政治的な虚構であると想っていました。

しかし、航空部で活動をしているうちに、自分だって生まれた時と場所が異なれば、「靖国神社で逢おう」という言葉を支えとして、死出の出撃をするようなことがあったかも知れないと考えるようになりました。

人生においても社会においても、必要な「虚構」というものがあるとも考えるようになりました。

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戦記などを読むと、陸海軍の操縦士の多くは、最初から「お国のために死のう」と想っているわけでは(必ずしも)ないですね。多くは子供の頃に青空を飛ぶ飛行機を見て「僕も飛びたい」と想うわけです。しかし、貧乏人(当時の日本人の大半は貧乏人だった)が空を飛ぼうと思えば軍隊に入るしかない。
そして、大変な苦労をして難関を突破して、操縦士になられるわけです。
僕が尊敬する人物のひとりに故坂井三郎氏がいらっしゃいますが、彼がパイロットになるまでのプロセスは、文字通り「壮絶」の一語です。
「不撓不屈」という言葉は彼のためにあるのだとすら想います。
(『大空のサムライ』参照。)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=256065

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そうして苦労してなった操縦士たちが、平時においてすら、ささいな不注意や偶然のような事故のために一人ひとりと亡くなってゆきます。共に苦労しあった仲間です。言葉ではあらわせない思いもあったでしょう。
「血肉わけたる兄弟よりも」という歌詞が「同期の桜」の中にありますが、偽らざる気持ちだろうと想います。

そして戦時となり、戦況が悪化すると、加速度的に戦死者が増えてゆきます。飛べば、誰かが生きては還らなくなる。
「次は自分の番か」という気持ちが日常的なものとなる。

必ず勝つの信念と、
死なば共にの団結の
心で握る操縦桿
我らは皇軍(すめらぎ)戦闘隊
(加藤隼戦闘隊・部隊歌)

「神格化された天皇」は国家的な虚構であり、
「大東亜共栄圏」は政治的な虚構であり、
「靖国」もまた、「大日本帝國」が必要とした虚構でした。

しかし、それを信じた人の心、それを心の支えとして生きて、そして死んだ「人間」までも「虚構」だと言うことは出来ないと考えます。

「神格化された天皇」は既に過去のものとなり、
「大東亜共栄圏」は歴史的な評価の対象となりました。

しかし、「靖国神社」は「過去」(だけ)ではありません。
「靖国神社」に対する「歴史的な評価」も必要ですが、
その「現在」について考えることも、更に重要だと想っています。

航空部の歌(1)(2)
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=181569215&owner_id=2312860
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