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2011年05月12日23:55

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崇徳院と頼長

昨日(5月11日)、来年の大河ドラマ『平清盛』の第一次キャストが発表された。
http://www.nhk.or.jp/kiyomori/pre/03/index.html
山本耕史くんも藤原頼長役で出演予定。
これはまたクセのある役だなあ。
頼長のことは、以前「歴史秘話ヒストリア」でも取り上げていたけれど、
再現ドラマで頼長を演じていたのは歌舞伎役者の市川春猿さん。
貴族の衣装がよくお似合いで印象的だった。
http://www.nhk.or.jp/historia/backnumber/74.html

小日向文世さんの源為義、阿部サダヲさんの信西なども嬉しいが、
個人的にはARATAさんが崇徳帝というのに、おお!とうなった。

是枝監督の『ワンダフルライフ』(1998年)で知って以来、
ARATAさんも特別気になるひとで、記事にもしている。
・スタジオパークからこんにちは(ゲスト:ARATA) 2010年04月29日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1473736877&owner_id=949383
・『チェイス〜国税査察官〜』最終回 2010年05月23日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1494513942&owner_id=949383
・『男前列伝』のARATAさんと耕史くん  2010年10月23日
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1607981364&owner_id=949383

『チェイス』の村雲は圧倒的だった。
10年以上観て来たファンとして、一回りも二回りも大きくなったと実感。
この役を耕史くんが演じたらどうだったろう、と想像したりもした。
そういうことを思わせる、良い役だったのだ。
記事のなかで、村雲の印象を
”誠実と残酷のどちらも内包し、どこか冒しがたい神々しさ”と書いたけれど、
ARATAさんもまさにそういう魅力を持っている人だと思う。
ちょっとこの世離れした、不思議な感じ。悲劇の似合う雰囲気。
その後、『男前列伝』での第一回、第二回の旅人を、
ARATAさんと耕史くんがそれぞれつとめたりもしたけれど、
共演はこれがお初のはず。

しかも崇徳院と藤原頼長である。
天皇家の複雑な皇位継承問題と摂関家の内紛が絡み合い、
後白河天皇側と崇徳上皇とが争った保元の乱で、
崇徳院についたのが頼長なのだから、当然二人の絡む芝居はあるはず。
戦に敗れる悲劇の皇とその側近という哀れ。どんなふうに描かれるだろう。
どちらも好きな二人だから期待してしまう。
二人の敵方・後白河天皇側を陰で仕切るのがサダヲさん演じる信西。
脚本は朝ドラの名作『ちりとてちん』の藤本有紀さんだし、わくわく。

敗戦で頼長は死に至り、院は遠く讃岐に流される。
悲憤のあまり怨霊と化したという伝説はあまりに有名で
(菅原道真公のたたり神化と同様)、
歌川国芳にも髪を逆立てた青い面がまえの崇徳院の錦絵がある。
すでに妖怪たちの王となっているような姿。
上田秋成の『雨月物語』にもそういう怨霊として描かれているから、
ながくそれが一般的なイメージだったのだろう。
国芳好きなARATAさんのことだから、この絵もむろんご存知だと思う。

また、「百人一首」第77の崇徳院の歌も一般に膾炙していて、
上方落語の演目にまでなっている。
お互い一目惚れしたまま、名前も知らぬ相手にこがれる若旦那と娘のため、
出入りの者が、この句だけを頼りに訪ねあるくお噺。
『ちりとてちん』にも出て来たなあ。
百人一首は好きで全部覚えているから、この歌もおなじみ。
その生涯を知ると、歌にも深く思い入れてしまう。

せをはやみ いはにせかるる たきがはの
われてもすゑに あはむとぞおもふ

解釈)
瀬が早く、岩にせき止められる急流が両側に別れても、後に一緒になるように、
一時は別れていても末には必ず逢おうと思っていますよ。

作者)崇徳院
鳥羽院の第一皇子顕仁(あきひと)親王で五才で即位されたが、
院政のためと父上皇と美福門院(藤原得子)との子體仁(としひと)君を
三才にて即位(近衛院)させ、退位させられるなど恵まれず、
後頼長(よりなが)らと謀反。
和歌を好まれ、「金葉周」「詞花集」はこの院の勅命による。
(1119-1164)
【小倉百人一首 歌かるたのしおり】より
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