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2008年05月19日01:13

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ヘドウィグ新潟公演(5月17日)

FACE後、初の地方公演は新潟りゅーとぴあに於いて。
http://www.ryutopia.or.jp/guide/theater.html

私も初の新潟遠征で、初会場での観劇。
5月6日のFACE千秋楽から11日目で、ひさしぶりのヘドウィグ再会。
なかなか新鮮な気分で見ることが出来た。

<劇場のつくり>
入ってみてちょっと驚いたのは客席の傾斜が急なこと。
劇場HPの「特徴」の項目にも書いてあったけれど、
確かに「最後列からも舞台が近いと感じられ」る詰まったつくりで、
かなりくっきりと見下ろせる。
スクリーンの文字やアニメーションも非常にクリアで、とても綺麗に見えた。
逆に舞台から見ると、客席がざあっと縦にせりあがった感じで視界に入るのだろう。
あとで、ヘドウィグもそう言っていたような。

しかも舞台面がやや低いので、
3列目くらいからでもヘドウィグを見下ろすようになることが多く、
フラットなFACE会場に慣れていただけに、ちょっと不思議な感覚。
前列からだと、ヘドウィグはいつも見上げる存在だったから。
最前列と舞台とはFACEに負けないくらい肉薄している。
ただ、FACEだと一段低い部分があって、
そこも演技にうまく利用されていたけれど、
当然ながらそれはないので別アレンジとなった。
それについては後述。

FACEは本当に会場自体がライブハウスで、観客の私たちをも含めて
すべてが舞台装置だったけれど、今回はきちんと「劇場」。
落書きめいたイラストも、穴ぐらのようには見えない。
タッパもあり、奥行きもあるので、立ち位置の距離感がちょっと違う。
やはり意識的に、端から端まで大きく動いていたと思う。
観客の立場からすると、スタンディングは良いとして、
再び座るときに、椅子が跳ね上がってるので
お尻をぶつけてしまうのは盲点だった。
手で押さえないと座れない。
立つ位置も狭いので、やはりFACEと比べると踊りにくかった。

<台詞あれこれ>
肉体的には休めても、公演の間が空くことは、別な意味で大変だと思う。
あれ?と思う台詞がいくつか。
『Sugar daddy』の前のレインボーカラーのくまさんのくだりで、
「透明なパックのなかの…」の同じあたりをぐるぐる繰り返して、言い直したり。
去年の初演と今回の再演では台詞の大幅カット、入れ替え、変更があっただけに、
多分彼の頭のなかで、初演モードのスイッチが入ってしまったと思われる。
「次の日ハンセルは、その足跡を戻っていった」と言ったのも
オリジナル通り、第三者的な言い回しだった初演の言い方。
今回の再演では「次の日あたしは…」と分かりやすく言い替えてたはず。
一部リピーターは瞬時に反応し、笑ってしまったけれど、
「なに?なにかおかしい?」と切り返す今年のヘドウィグは頼もしい。
堂々と動じないのが良いです。

あと、トミーとの出会いを説明するくだり、
「スペック将軍にはもう一人息子がいました」のところで、
「そう、それがトミー・スペック」と言うべきところを、
「トミー・ノーシス」と言ってしまったのも、あー!!とちょっとびっくり。
ヘドウィグ、まだ名前プレゼントする前でしょ?!
でもまあ、それは瑣末なこと。
初めてのひとには支障ないでしょう。

<アドリブあれこれ>
・「ああ、神よ!社会主義の魂に永遠の眠りを!」のあとにやる
 両手を開き、足を交差して腰をかがめる騎士ふう?お辞儀。
ここは笑いが起きるところなのに、反応が薄かったせいか客席に向かい、
「しらっとしやがって!…まあ慣れてないから仕方ないわね」の捨て台詞。

・「ちょっとあんた、何やってるの!」
とイツァークにどなる直前の、かつらをかぶって歌うイツァークの動き。
結構はげしく左右の手を動かしていた。
例によってそれを真似しながら、横の動きを強調して
「なによ、これ。カニか!っつぅの」
前夜新潟でカニでも食べたのでしょうか(笑)?

・グミ撒き
これはなかなか楽しかった。
最初に投げたのと反対側から「こっちにもー!」と声がかかり、
「うるさーい!」とどなりながらも(マイペースを崩されるのが
一番いやなヘドウィグ姐さんですからね)、そちらへ投げ。
「届かない〜!」と再度言われて、またまた「うるさーい!」と
どなりながらも投げ…。
結局、自分自身のツボにはまってしまったのか、そのあとも盛大に投げていた。
やはりおとなしめで、なかなか空気が温まらなかった会場が、
このあたりからだいぶ盛り上がってきた。

・「女以上の女になってやる!」
『Sugar daddy』の歌詞をもう一度繰り返すように言う台詞。
今回は「なってやるぅ〜」って、ちょっとオネエ言葉になってたような。
え、ここそんなキャラだったでしょうか?
今回、色々なところを強調して試してた気がする。

・「母の顔が写真みたいに静止した」
口角をあげて凍ったような笑顔。
いつもならそれだけだけど、今回そのあとに「はぁ?」という台詞付き。
で、クリスタル・ナハト時代のイツァークに連れてってくれとすがられた時、
もう一度凍った笑顔+「はぁ?」を繰り返し、
「そう、ここにつながってたの、さっきのは。いいのよ、トライなんだから」
と自己説明。色々トライ中のようです。

・パンク式水噴き
「攻撃相手はこのあたり!」
いっぱい遠くまで飛ばすのが上手くなったような。
三列目までもたっぷりかかった(私も)。

・シャウティングチキン
「だからあたし、やってやったの」の、トミーのフィニッシュ手伝い。
なんと今回は、チキン人形を引っ張り出してきたあと、
最前列センターのお客に手渡しました!
「ちょっと、これ持ってて。で、押してみて」
ヒィ〜というようなあの声を出すところまでおまかせ。
いじられたお客さんはさぞびっくりしたことでしょう。
それで満足したのか、いままであれこれ言ってたアドリブは特になく、
(「ほんとにこんな声だったの」とか「いっぱい出たわ」とか
「たまってたのねー」とか…)
さらっとすぐ「ライヴお誘いのメモ」の台詞に移っていた。

<小道具と位置のアレンジ>
・小テーブル
ヘドウィグが使う小さい丸テーブルは、本来はふたつ。
やや奥寄りの、ライターや煙草、グミキャンデーが乗っかっているものと、
それより下手、前寄りの、オーブンに見立ててヘドウィグが頭を乗っけるもの。
今回、前寄りの小テーブルが無かった。
おかげで、アメリカの大物歌手の歌を聴いてるところも、
『Origin of love』のあと、カタワレについて考えてるところも、
椅子にだけ座って、もたせかけるものがないまま頭をかしげていたので、
いささか大変そうに見えた。なくした意味はあるのだろうか?

・イツァークソロ『Random number generation』での引っ込み。
FACEのような位置の脇桟敷席はないので、どうするのかと思ったら、
なんと下手側通路に進んで、そのまま通路席のすぐ脇に座り込み。
突然の巨大ヘドウィグ出現(舞台だと別物として見てますが、
普通のひとのそばに居ると本当にデカイ)、場内興奮!
しかも座ったかと思えば移動を繰り返し、ずいぶん後ろまで行くので
興奮がざわざわと広がってゆく。いわゆる「ジワ」が来る感じ。
通路側の人は美味しかったですね。

・「でも、あたしにはとんでもなくホットなバカだった」
ここはFACEだと酔っ払って語りだして、ちょっとよろめいて
つまずくようなかたちで、下の段に座り込んでしゃべるのだけど、
舞台が平面なので、アンプにすがるようにしゃがみこんでいた。
そのアンプをトミーに見立てたのか、
一所懸命抱え込むようになでなでしてたのが可愛い。
ただ、あのすごいヒールのブーツでしゃがむのは、負担が大きそう。

・「Midnight radio」
ドレスアップしたイツァークの出は、いつもと逆で下手側通路から。
そのまま舞台に上がり、ヘドは上手。
立ち位置が反対だーと思っていたら、
舞台上で二人が見つめ合いながら回転して位置を変える。
レコード盤が回るように。これはすごく良かった!
オリジナルのト書きにある、
Hedwig begs Yitzhak's hand. He grants it and they dance.
(ヘドウィグはイツァークの手を求め、イツァークはそれを与え、
 二人は一緒に踊る)
というような動きを思わせる。
目と目をしっかり合わせながら、ダンサーのように回る二人。
なんだかとても感動した。

<全体の感想>
あれこれあったけれど、耕史くんの気持ちはすごく良く入っていたと思う。
トミーとヘドウィグの切り替えが、どんどん鮮やかになっているみたい。
「神父様をしごいてる最中」のトミーの顔は、誰でも笑ってしまうけど、
そのあと、ちょっと呆れたようなヘドウィグの表情が
ぱっと挿入されるのは、新たなアレンジだろうか。
トミーこそが自分のカタワレだと気付く、うつくしい一連の台詞で、
涙ぐむのが早かった。涙をぽろぽろと流すヘドィグ。
とても綺麗でいじらしく、いつも魂を持って行かれる。
やっぱり耕史ヘドウィグは素晴らしく魅力的。

<回りのお客さんのことなど>
地方公演では、こういう演目でも親子連れのひとたちが来たりする。
私の隣がまさにお子さん連れのお父さんお母さんだった。
しかもどうみても小学校低学年の女の子。内心、大丈夫かしら…と
心配していたのだが、結構素直に楽しんでいてほっとした。
もちろん下ネタは分かってないだろうけど、綺麗だとか素敵だとか
すごい、ということは分かってたような気がする。
グミ撒きやチキン人形にはすごく反応して笑っていたし、手も叩いてたし。
全部は分からなくても、きっと何か感じてくれたと思う。
むしろお父さんのほうが手拍子ひとつしないので、 私は隣でノリにくかった。
いや、もちろんちゃんとアクションしましたが。

<カーテンコール>
お約束のお着替えは、耕史くんはラグTシャツの黒。タクさんは緑。
タクさんはこのステージがはじめての新潟だそうで、来られて嬉しかったとのこと。
「しばらくぶりのステージでだいぶ緊張しましたけど」
「ここ新潟では、今日が初めてにして最後なんですけど、
まだまだあちこちでやりますので、皆さんも良かったら、
ヘドウィグがトミーを追っかけてるみたいに、
僕たちのことを追いかけて来てください」
そう言われると、よろめきそうになります。でもやっぱり全部は無理。
「最後に、皆さん必ず売店でこのTシャツを買って帰ってください」
出ました、宣伝部長(笑)!
きっとおかげでまたたくさんの売り上げがあったことでしょう。

私の次回地方公演は名古屋の予定。またレポします。
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