mixiユーザー(id:949383)

2007年09月15日01:05

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ショートバス

9月1日、渋谷シネマライズにて鑑賞。
http://shortbus.jp/

とてもあたたかい世界だった。
作者のジョン・キャメロン・ミッチェルが
「セックスを率直に描き、示唆に富み、そしてできれば笑える
 ニューヨーク・スタイルのエモーショナルなコメディ」を作ろうとした、
と語っている通りの作品。
彼の言葉通り、ここでのセックスは
「エロティックである必要はなく、むしろ登場人物たちの生活のメタファー」
となっている。

みんな不完全で、どこかうまくいかなくて、
でも誰かとちゃんとつながりたくて一所懸命に求めている姿が、
とても身近で、ちょっと滑稽で、微笑ましくて愛しくて。
ジョンの目線は暖かくてやさしい。懐が深い。
不安でさみしいけれど、求めるために手を伸ばし、
足を踏み出すことはやめちゃいけない。きっと、ひとりではないから。
そんなメッセージを受け取った気がする。

主要人物8人のなかで、リー・スックイン演じるソフィアの、
アジア系らしい生真面目さとヴァイタリティーが素敵。
ゲイカップルの片割れ、哀しげな眼をしたジェイムズを演じたポール・ドーソンは、
ジョンの前作『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』の
トミー・ノーシス役に最終選考まで残ったとのことで、確かに美形。
(個人的にはこのひとのトミーのほうが好みかも)
ジェイムズを愛してやまない、パートナーのジェイミーも、
SMの女王として仕事をこなしながら、孤独感にさいなまれるセヴェリンも、
ソフィアに引け目を感じている、パートナーのロブも、
彼らに関わってくるひとたちも、
なんだか知ってるひとたちばかりのようで、親近感がわいてしまう。

残念なのは、やっぱりぼかしが入ってしまってること。
日常的に描かれているのに、そこにそれが入ることによって、
かえって気になって、もやもやした気分にさせられてしまうから。
修正版じゃないものを見て、晴れやかになりたいです。

冒頭や最後、途中にも挿入される、ニューヨークの街を描いた
紙細工のようなアニメーションが可愛くって大好き。
しゅうっとビルの窓に迫ってゆくカメラの躍動感。
愛らしい灯。そこにかぶさる、優しげな音楽。
曲は皆感じが良くて、ビージーズのような懐かしい曲を思い出した。
「Boys of Melody」が一番お気に入り。
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