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2007年05月16日02:51

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「居眠り磐音江戸双紙」ロケ見学・その壱(5月12日)

マイミクのRさんに誘われて、
山本耕史くん主演のNHK木曜時代劇『陽炎の辻〜居眠り磐音江戸双紙』
(7月放映開始予定)ロケ撮影の見学に行ってきた。
http://www.ontvjapan.com/article/01_00/nhk_jidaigeki.php

この「歴史公園 ワープステーション江戸」
http://www.wsedo.co.jp/index.html
というロケ地は遠くて不便と聞いていたし、
最初はまったく行くつもりはなかったのだが、
秋葉原からつくばエクスプレスに乗れば、
最寄り駅のみらい平までは40分。
ここで落ち合ったのは、またまた登場のKさんと
ヘド採録を一緒にやったFさん。
そのあとの移動手段はタクシーのみ。
左右に田んぼを眺めながら走り、10分ほどで到着。

出遅れファンの私は、大河ドラマの撮影見学にも行ったことがなく、
オープンセットでの見学はこれがまったくの初体験。
なにもかも珍しくてどきどき。

入場券を買って園内に一歩足を踏み入れると、
いきなり広い通りの両側に店などが立ち並ぶ町屋ゾーン。
入るまでは、京都太秦撮影所のようにどーんと広い、
どこで撮影してるのかも分からないような
広大なものを想像していたのだが、
意外にもこぢんまりとして、目と鼻の先のセット。
ちょっと向こうの角のあたりに人がたむろしているので足を運ぶと、
奥から会話しながら歩いてくる二人連れ。

町人姿の、一人は初老の番頭さんふう。
横に手桶のようなものを手にして並んで歩くのは
なんと耕史くんだった!
いきなりの遭遇に皆しばし呆然。
すとん、と普通に素通しでそこにいるので、
どうして良いのか分からない。
ついついと角を曲がって、私たちの目の前を過ぎ、
今撮影された画像確認のため、モニターなど覗いている。
胸元をくっと広げたのでうわっと動転したら、
それは懐に仕込んである小型マイクを確認したか何かのようだった。
信じられないほど近い場所なので、
注視してよいものかどうか、どぎまぎ。

通常の浪人姿ではなく、変装したらしい町人髷の町人姿。
少し鬢がふくらんで、散薬行商時代の歳三をも少し品良くした感じ。
このひとは月代も実に似合う。
時代劇のメイクは眉をくっきりと太めに描くので凛々しく、
大きな瞳がさらに際立つ。
藍色の細かな縞の着物も白い肌を引き立て、紺足袋に草履、鼻緒は白。
会話の感じで、連れ立つのは磐音が何かと世話になる
両替商今津屋の老分番頭・由蔵さんだろうと知れる。
演ずるは近藤正臣さん。老けメイクなれど格好良い。

さて、磐音が町人姿で老分さんと連れ立つというのは確かにあったな。
一巻目で両替商の敵役・伊勢屋の通夜に行く際の用心棒として付き添う時、
磐音は髷も結い替え、奉公人の格好をするのだったが、
そういう雰囲気でもない。
おこんの指示で髪結いに無精髭をあたってもらい、髪も結い直し、
用意されたお納戸色の着物に着替えて、角樽を持った小僧などと一緒に、
旗本屋敷に取り立てにゆく由蔵に付いて行く時の場面(二巻目四章)だろうか。

この場面はすぐOKになったようで、
町人姿の磐音さまは控え室方面に引っ込んで行った。
二人が歩いてきた方角を見ると、
両側は立派な大店で道端には天水桶などもあり、
向こうに太鼓橋が浮かんだように見える。
水辺の柳の緑が風に揺れて爽やか。
角度を変えてみると、すぐ近い場所なのに
がらっと雰囲気が変わるのが面白い。

早めのお昼なのか間があくようなので、
私たちも入り口付近の縁台に腰掛けてお弁当。
するうちに、エキストラの町娘その他のひとなどにも昼食が用意され、
皆着物姿で湯気のたつハヤシライスの皿などを持って
移動するのがおかしかった。
着物は皆単衣。季節は初夏だろうか。
裾短かに着て、足元は素足に細い二枚歯の下駄。
女性の帯は貝の口の変形で、
引き抜き切らずに下にたれを残した結び方。
やの字結びだろうか。
人によっては吉弥結びとも言ってたような。

磐音さまは引っ込んだまま姿は見えないが、
近藤正臣さんは鬘をはずし、
鬘下をつけただけの頭に手拭を巻いた格好で
行ったり来たりぶらぶら散策。
私たち見学者を逆見物に出たのかも。

静かなので鳥のさえずりがクリアに聴こえてくる。
ここは雀も多いがツバメも多い。
羽を広げ、ついーっと流れるように飛ぶ姿はとても綺麗だ。
園内には柳も多く、定石通り「柳にツバメ」の絵がそちこちに。
背黒セキレイの姿も見える。
いつの間にかバードウォッチングを始めていたら、
目の前を見知った顔がすっと通っていった。
え、劇団☆新感線の橋本じゅんさん?!
普段着のまま奥に入っていったが、出演者?何の役なんだろう。
結局、この日姿を見たのはこの時だけで、
扮装したのを見たわけでもなく謎のまま。

お昼のあと再び出てきた磐音さまは若侍姿。
先ほどよりきりっと引き締まった侍髷。もちろん月代あり。
白の絣に濃紺の袴と足袋。
とても初々しく、少年剣士と呼んでもおかしくないような感じだが、
腰の大小は黒一色に赤の下げ緒が目立つ。
この姿は脱藩した後としてもまだ日も浅く、
浪人のイメージなどない頃という感じ。
しかし着付けの問題か、左の袂に少しシワが出ていて、
振り向けば袴の腰板下のふくらみも左右対称ではなくズレがある。
ああ、飛んでって着付けを直してあげたい!とやきもき。

動きとしてはさきの場面と同じく、
奥のお太鼓橋方面から老分さんと並んで会話しながら歩いてくる。
「やはり宍戸派の…」などという老分さんの台詞からすると、
国元の家老の悪行についての会話らしい。
正臣さんの声は結構はっきり聞こえるのだが、
耕史くんは意図的に声を落としているらしくあまり聞こえない。
「これからどうなさるおつもりですか」
「…さまにこのことをご報告して…」
「いえ、それからあとのことですよ。
坂崎さん、私はね、
あなたはいずれ藩に帰参なされる方だと思っています」

何か言いかけた磐音を手で制して、
さらに言葉を続けるのだが、
短い場面なのにここは何回も撮り直し。
正臣さんは途中で手の動きをやめたのだが、
監督はそれはやはりやって欲しいようで、
何パターンか動きを繰り返した。
途中、正臣さんのかつらについたごみを、
耕史くんが取ってあげる微笑ましい場面も。

撮影には結構「待ち」も入る。
ぽっかりと広い空なので、
飛行機が飛んでゆくところまで背景に入ってしまうのだ。
江戸の空の飛行機はシュールな景色。
飛行機ならまだしも、飛行船はゆっくりなのでだいぶかかってしまう。
何度も見ていると風呂敷包みを抱えた娘が左から右へ歩き、
荷物を背負った男がこちらからすり抜けて、というふうに、
生き生きとした群集場面にしようとしている
動きの付け方がよく分かってくる。
皆そのつど同じ動きを繰り返すのだから大変。

ようやくカットがかかり、今度は太鼓橋向こうの長屋場面。
移動する磐音にくっついて、見学者もぞろぞろと。
今撮影されていた通りを歩き、
お太鼓橋を渡ることに気分が高揚した。
お太鼓橋というのは実に絵になる。
最初見えなかったものが、
だんだんせり上がるように見えてくるのはドラマティックだ。
大河ドラマ『新選組!』第一話での、
橋の上に佇んで通りすがりの町娘に小石を投げ、
にっこり笑ってナンパする歳三の場面が撮影されたのもここだそうな。
なつかしい。

それはともかく、奥の長屋場面はほとんど室内の撮影だったらしく、
遠巻きに見ている見学者には様子が知れないのが残念。
「鎌勘」だの「貸間」だの看板が出ている長屋の細い路地を通り、
奥の一戸を訪なう磐音の、外の場面だけ少し見えた。
結構長くかかった長屋場面が終ると、再び控え室へ向かう磐音に
伴走するように見学者がどっとついて回る。
磁石を移動すれば吸い付いてゆく砂鉄のように止まらない現象。

その後、撮影は町屋の間の路地で行われていたが、
磐音さまは出ていないし、
日向で立ち詰めの疲れが出た見学者は縁台で休憩。
それでも好奇心の強いKさんはFさんと共に熱心にのぞいていた。
あとで寄って行って聞くと、撮影されていたのは二巻二章にある
東広小路の金的銀的の矢場女・おきねの殺し場だったらしい。
三人組の矢場荒らし、
すなわち隠居風と若侍と遊び人ふうの女・おかるが彼女に手を下す。
先にその三人が撮影を終えて出てきた。

おかるはえんじ系の地に文字がかかれたようなちょっと派手な着物。
顔もちょっと派手気味か。
帯はお太鼓だったか、だらりの帯だったかはっきり見なかった。
「あ、小嶺麗奈(こみねれな)だ」、とKさん。
金八先生のドラマで有名になった子だとか。

遅れて殺されたはずのおきねが出てきた。
なんと原田夏希ちゃん。
てっきり磐音の妹の伊代あたりかと思ったら、
あっというまに殺されてしまう一話かぎりの役だったとは。
裾をかなり短く着ているのが子どものようで、
赤い格子柄の着物も愛らしい。
地毛で結っているように見える髪もしっくりとして、
やはり可愛いひとだと思った。
喉元に刃物の傷跡が作られているけれど、にこにこ笑顔。
お疲れさまでした。

なんとかもう一度磐音さまの姿を拝みたいファンたちは
閉園の5時近くまでねばったが、
とうとうそれもならず追い出された。
変装の町人姿と初々しい若侍姿が見られたのは幸運だったけれど、
とても色っぽいと評判の黒の着流し浪人姿が見られなかったのは心残り。
でも楽しかったね、と言い合った。
帰りはRさんのお友達で、
この日初対面だったSさんの車に皆で便乗させていただき、
守谷駅まで送ってもらった。多謝。
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