初めて彼らを観たのが昨夏のサマソニ。次回はぜひフルサイズと願っていたところ単独ライブ決定。M西君のご手配のおかげで前から4列目という絶好のポジション。当然ながらこのあたりは最初から最後までずっとスタンディング。彼らにしっとりしたスローナンバーなどあり得ず、途中でいったん着席する余裕などいっさいなかった。
これは身体にこたえたなどと文句厳禁。目の前のふたりは77歳と74歳。サマソニ日記で“パッと見では兄弟と思えないふたり”として酒井くにお・とおるを引用したけど、なんとメイル兄弟のほうが人生の先輩(くにおとラッセルが同い年)。無表情貫くロンはともかく、終始ステージ狭しと飛び跳ねつつ歌い続けるラッセルは驚異の一言。
もともと時代を超越し独特の個性を放っていた彼らの楽曲群、どの曲も古びた印象をまったく感じさせず、「ディス・タウン」と最新曲のあいだに半世紀近くの隔たりがあるとはとても信じられない。シンプルなフレーズを繰り返す楽曲が多く、ラッセルのわかりやすいMCも相まって、メッセージがストレートに突き刺さるライブだった。
最近でこそフランツ・フェルディナンドとのコラボもあるが、ロックシーンにおいては他と群れることなく独自の道を歩んできた彼ら。いっぽうここにきてレオス・カラックスやケイト・ブランシェットなど、銀幕のほうからの歩み寄りがあったのはまったく予想できなかった展開、これからもますます目が離せないメイル兄弟でした。
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