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2023年06月30日12:27

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6月に観たもの

*写真は左から順に「目黒駅近くの紫陽花」「龍子庭園の鳥型の蛇口」
 「ポール・ジャクレー『内緒話の相手』」

今年は梅の実りも早く、梅雨の晴れ間も思いのほか暑かったので、
すでに梅干しの天日干しも済ませ、梅ジャムもたくさん作れた。
しかしお財布と心情的にはとんでもない一ケ月だった。

早々と先行予約していた演劇チケットが実は電子チケットだったことが判明し、
変更して欲しくて問い合わせ、じたばた抵抗したのだが、
敬遠し続けてきたスマホを購入するか泣き寝入りして観に行かないか、
二択しかないので泣く泣く購入。野田地図を観ないという選択は出来なかった。
勘違いしていたのは自身なのだから致し方ないが、無理やり屈服させられた感じ。

予想外の痛い出費のうえ、不本意な決断だったせいで未だ積極的に使う気になれない。
こうやってデジタル化に屈服させられてゆくんだろうな、という敗北感。
それもあって現実逃避の如く色んな展覧会に足を運んだ。
新聞紹介、日美アートシーン紹介で気になるものはすべて観に行った。

交通費節約のため都内なら可能な限り自転車で行くのが習いだが、
慶応大学三田キャンパスのギャラリーまで自転車を漕いだのは自分でも無茶だと思う。
(自宅から2時間弱かかった。1時間ちょっとくらいなら何とも思わないのだが)
でも自転車だと虎ノ門も通過するし、ついでに智美術館も泉屋も、となる。
さすがに一ケ月で巡った数としてはどうかしている。週末は家に居ない状態。
以前から好きだったポール・ジャクレーの版画展を見に行けたのは嬉しかった。
前期後期で展示入れ替えとなるので7月もいかなくては。

図書館で予約して、「大奥」と「きのう何食べた?」をこつこつ読み続けている。
秋のよしながふみ原作ドラマ祭りに備えて準備怠りなし。


<映画>
・怪物(TOHOシネマズ池袋) 6月25日
https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/
これはまぎれもなく坂元さんの作品であり、是枝さんの作品だ。
心震え生涯忘れられない『Mather』と『誰も知らない』を作ったひとたちの作品だ。
子どもたちだけの秘密基地の美しさに心奪われながら、
これは現実か彼らの脳内だけの空想なのか、とはらはらした。
願わくばその先の世界へと逃げ延びてほしい。

<ステージ>
・兎、波を走る(東京芸術劇場プレイハウス)6月21日
https://www.nodamap.com/usagi/
野田さんの新作はいつもどこへ連れていかれるかわからない。
ちらちらと予感させられながら、だんだんとピントが絞られて、
誰もが知るあの事件に正面から対峙させられ、心打ち抜かれてしまう。
淡々と飄々と演じながら確実に突き付けてくる高橋一生始め、
キャスト全員核心を突いた演技が素晴らしい。
またしても滂沱の涙。

・音楽劇「ある馬の物語」(世田谷パブリックシアター) 6月30日
https://setagaya-pt.jp/stage/1829/

<展覧会>
・GAYA 35th Anniversary Kalamkari(カラムカリ) 展(GAYA)6月3日
http://www.gaya-tokyo.com/

・没後50年 初山滋展 見果てぬ夢
(ちひろ美術館) 6月4日
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/66658/
私は実家にあったアルス少年文庫(おそらく祖父か父の時代)を読んで育ったので、
異国情緒あふれる物語の挿絵を描いていた初山滋の絵は幼少期から馴染みのもので懐か
しい。
今回改めて見て、そのモダンで可憐な美しい絵に感嘆した。ちひろ美術館にぴったり!
これ以上本を増やさないため展覧会パンフレット購入は控えるようにしているのだが、
「不思議の国のアリス」トートバッグと抱き合わせの割引価格に負けてつい購入。

・ちひろ 光の彩(いろどり)
ちひろ美術館) 6月4日
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/28225/

・近代ロンドンの繁栄と混沌(カオス)(東京大学駒場博物館)6月9日
http://museum.c.u-tokyo.ac.jp/2023.html#Hogarth2023
奇妙で混沌として、率直に言ってかなりグロテスクな世界だった。

・エドワード・ゴーリーを巡る旅(松濤美術館)6月9日
https://shoto-museum.jp/exhibitions/199gorey/
この作家のことは知らなくて、
怖い感じのするポスターイラストから敬遠していたのだが、
親しい友人から良かったと聞いて展示終盤に足を運んだ。
悲惨なお話が多いけれど、どこかユーモアも感じられ、
奇妙でもちょっと可愛いようなキャラクターも居て、
思っていたよりずっと楽しめた。
細かいペン描きで黒っぽい画面は、
トーベ・ヤンソンのムーミンの原画にも通ずる気がする。
それにしても会場は若者たちもたくさん詰めかけていて、
こんなに人気があるんだなと吃驚した。

・名作展「1963→2023 龍子記念館開館60年の歩み」
(川端龍子記念館) 6月10日
https://www.ota-bunka.or.jp/facilities/ryushi/exhibition?33288
友人に見せたくて一緒に訪れた。
ここはいつ来ても広々としていて気持ちが良い。
今回は画室と庭園のガイド案内の時間に合わせて行ったので、
梅雨の晴れ間の緑いっぱいの庭が見られて良かった。

・ポール・ジャクレー フランス人が挑んだ新版画(前期)
(太田記念美術館)6月10日
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/pauljacoulet
端正で繊細で、何より色味が柔らかく美しい。
異国情緒も品よく、その国の文化への敬意があって大好きな作家。
以前横浜美術館のミュージアムショップであるだけの葉書を購入し、
うっとり眺めていたが、今回初めて見る作品が多くて堪能した。

・ルーヴル美術館展 愛を描く(新国立美術館)6月11日
https://www.ntv.co.jp/love_louvre/gallery/

・久米桂一郎 日本絵画コレクション銘品選
(久米美術館) 6月11日
https://www.kume-museum.com/exhibition/230615/index.html

・「さすが!北斎、やるな!!国芳」−浮世絵のマテリアリティ
(慶應義塾ミュージアム・コモンズ)6月17日
https://kemco.keio.ac.jp/all-post/20230515/
ここは初めて来たのだけれど、春日通りに沿って建てられた別館だということが
最初よくわからず、三田キャンパスへの階段を上がってうろうろ探してしまった。
いつも思うのだが、完成作品だけでなく素描、下描きが見られるのはとても嬉しい。
修正の書き込みや、線の勢いなど、まぎれもなく生きてこの絵を描いた絵師の
存在がまざまざと感じられるから。

・反骨の陶芸 河村五郎(菊池寛美記念智美術館)6月17日
https://www.musee-tomo.or.jp/exhibition/index.html
ここでの企画展は何を見ても新鮮な驚きがある。
思いもよらぬ、段ボールをひらいたようなかたち、
わざわざゆがませた壺や箱など、陶芸の可能性が追求されている。
歌垣を扱ったシリーズ、おおどかな男女のパターンが面白かった。

・木島櫻谷 ― 山水夢中(泉屋博古館)6月17日
https://sen-oku.or.jp/program/2023_konoshimaokoku_tokyo/
近いのでいつも智美術館とセットで行くことが多いのだが、
今回先に慶応大のギャラリーに行ったこともあって
智美術館鑑賞時点でかなり夕方になり、
どうしようかなとチラシをみたら「寒月」展示のみ翌18日までとなっていて、
慌てて足を運んだ。
「寒月」と並べられた「駅路の春」が対照的に華やかな色合いで温かく、
好対照でしみじみ見惚れた。
「万堅烟霧」の雄大さも素晴らしい。やはりこの人の絵は素敵だ。

・奇想の絵師 歌川国芳(うらわ美術館)6月18日
https://www.city.saitama.jp/urawa-art-museum/exhibition/schedule/p071488.html
浦和にこんな美術館があるのを初めて知った。
駅からの道のりやビルの上階にあるつくりなど、千葉市美術館に似た印象。
国芳展もこれまでさまざま見ているけれど、今回は初めて見るものも多く、
個人コレクションをこういうかたちで公開していただけるのはありがたい。
見応えあってわざわざ行った甲斐があった。

・大観と歌舞伎(横山大観記念館)6月24日
https://taikan.tokyo/tenjiannai.html

<外食>
・洋食入舟 6月10日
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131502/13003330/
片桐はいりさんおすすめのお店で一度行ってみたかった。
川端龍子記念館に行った帰りに大森駅の反対側まで歩いてランチ。
古い料亭のような和室二階のつくりが興味深かった。
部屋に壁に立てかけたお琴を見て実家を思い出したり。
お子さん連れの家族客も多く、気さくな雰囲気。
フライ、ハム、ロールキャベツなど盛り合わせの入舟定食は
懐かしい味で満足。

・カフェ・ド・ラペ 6月11日
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13006986/
新国立美術館の帰りにランチとお茶。
もうずっと以前、乃木坂と赤坂の間にあったギャラリーかわむらを
覗いたあとは、ここに寄るのがお決まりだった。
変わらず隠れ家のように存在していることが嬉しい。
(ただ、お水はセルフサービスに変わっていて、
その注意書きに気付いておらず慌てた)

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