「家鳴り」というのは妖怪の名前です。何をするかと言うと要するに西洋で言う「ポルターガイスト」現象ですね。家のどこかで騒々しい音を立てるという妖怪です。水木さんの本には「小鬼」が起こすと昔の人は考えていたとあり、北陸のある街で明治時代に学者さんが調査したところ何らかの「共鳴現象」ではないかとの見解を得たという記載がありました。
最近の地震で家の中の振動や物音に敏感になっているせいか「家鳴り」を思い出してしまいました。子供の頃水木さんの妖怪にはまってしまっていた時に調べていて気になった妖怪だったからです。昔の人は蝋燭や行灯だけの暗い室内で様々な闇に潜む者たちに愛着と怖れを持って名付けしていたのだなぁと思ったものです。現代の社会は光にあふれているけれど人の心の中にはもっと暗い闇が生まれているような気がします。けれどそういうものにも妖怪のように名付けをすると意外と明るく考えなおせるようになるかもしれないなぁなんてフト思ってしまいます。
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