昔は巷に「闇」が数多くあったから光と闇の隙間に妖怪が数多く産まれたのだろうと思われます。現代の人の住む町や村には闇が少なくなってしまってそういう隙間が無くなって妖怪らしい妖怪はいなくなってしまいました。
けれど人の心の闇は昔よりもずっと深く暗くなってしまっていて、そこに生まれているのは妖怪ではなくて「怨霊」のように思います。妖怪には愛すべき部分がありますが、怨霊にはそういう救いがありません。ただただおどろしく哀しく哀れなだけです。いじめや差別や虐待や犯罪がそういう怨霊に憑かれた人の手によって起こされて行くように思います。
昔居た妖怪たちは逆にいじめや差別や虐待や犯罪を抑止するものだったように思います。人の心の中に生ずる救いようのない闇の部分を特別な形で光の下に露わにしてある意味笑わして消し去ってしまうようなそんな存在だったように思います。
妖怪と言うのは人にとって共生すべき愛しい存在なのではないかと思っています。
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