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2021年12月03日15:55

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戻り道を探して、その14

 電子書籍は便利だ。暗い部屋でも本が読める。老眼には優しい。ところが、重厚感がないという欠点がある。
 小学生だった筆者は、学校図書にある本は偉人について書いたものだったり、文学的に貴重な作品ゆえに厚い表紙で閉じられ、使っている紙なども厚いのだと思っていた。そして、書店で売っている文庫は、学術的価値も文学的価値もない娯楽物だから小さく、表紙も薄く、紙も安そうなのだと思っていたのである。つまり、学術的価値と本の装丁は比例していると考えていたわけだが、とんでも誤解だった。何しろ、箱に入ったエロ小説さえ販売していたのだから。
 そういえば、最近は、箱にまで入るエロ小説がない。そもそも、エロ小説は、紙ではなく電子書籍で読むようになってしまっている。
 さて、これは子供時代からバカだった筆者だけなのかもしれないが、こんな年齢になっても学術的な論文を電子書籍で読むと、その内容が軽いように思ってしまう。しかし、学術論文だからこそ電子書籍で読みたい。読むのに時間がかかるので紙で読むと疲れてしまうのだ。厚い書籍は重い、その上、ページを固定するのが難しい。老眼鏡も必要になる。電子書籍で読めるものは、どうしてもそちらで読みたくなる。
 ところが、電子書籍で気楽に寝転がりながら論文を読むと、すべての理論が絵空事のように思えてくるのだ。人間とはそうしたものなのではないだろうか。まさか筆者が特別にバカだからということもないと思うのだが、どうだろうか。
 何が書きたいのかというと、最近のエロは、電子書籍のように便利になった反面、意味はないかもしれないが、重厚さを失ったということなのだ。意味はないかもしれないのだ。エロが重厚である必要などないのだから。しかし、それでもなお、重厚でないエロが安く下品に感じられてしまうのだから、これはどうしようもない。お手軽で知性的でないエロがどうしようもなく幼稚に感じられてしまうのだからどうしようもない。
 そこで、こんな企画はどうだろうか。贅沢な挿絵。企画の内容は書かないでおこう。隠すというところにこそ、新しいエロのヒントが隠れているのかもしれないのだから。
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