アバンチュールはパリでと気まぐれな唇、おもしろかった。初ホンサンスである。エンタメなインパクトのパクチャヌクとポンジュノやキムギドクの衝撃はおいといて、インディーズではないだろうけれどミニシアター系なので観た作品の中で、時間が経ってからも印象が深く残っているのは、イチャンドンのシークレットサンシャインである(バーニングは表象的過ぎているのと不気味なのでちょっと敬遠)。印象深さはラストの影とソンガンホのユーモラスなところによるところも大きいけれど。さて、ホンサンスは時間が経っても印象に残るかな。。映画のストラクチャーとしてはかなりおもしろかった。アバンチュールはパリで。ロメールやアレンみたいとあったので、上映時間も1時間半ぐらいかなと思ったら、えらい長かった。ロメールのように字幕あったりズームあったり、引いた絵だったり、そしてそれらはアレン的でもある。気まぐれな唇。前半はなにか、当時のフィルム観か、キムギドクの悪い男にもあるようなとこもあり、でも後半は、アントニオーニの不毛の愛、だけれど、どっか知らないところであってる感覚ではなく日常の感覚が映像には溢れている。どちらも野生の眼であるカメラアイがすくい取る現実が特色のようで、カイエのフランスが喜びそうなセンス。記憶や心象といった曖昧なものでみられる世界をカメラアイは現実に引き戻すようすくい取るセンス、それがあるな。おもしろかったんで、考えよう。
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