80‘sポップの伝道師、マイケル・ジャクソン評論家として知られる西寺郷太ひきいる3人組。そろって渋いベージュの無地スーツにオレンジのネクタイ、パンツの裾もトム・フォードのスーツよりさらに短くくるぶし全部見せ。この先端を走るスタイルが一般的になる日が来るのかどうかわからないけど、とにかくカッコいい。
どこかで聴いたことのある80’sフレーバーを随所に織りまぜ、9月に出た新譜17th「Discography 」からの楽曲をメインに流麗なるポップ・ショウが続いていく。けっして歌唱力に秀でたシンガーとは言えず、ときおりピッチが怪しくなる西寺郷太だけど、そんなこと一切気にしていないかのような小気味のいい歌いっぷりだ。
そして今回、バックボーカルに真城めぐみの名を見つけたとき、このライブが一段とグレードアップされたものになると確信。かって小沢健二やキリンジのライブでも輝いていた彼女、お姿を見るたびに貫禄を増されているような気もするけど、まちがいなく90年代以降の日本の良質なポップを下支え、というか欠かせない存在。
彼女の力量がいかんなく発揮されたのが、この日のハイライト、ほとんどツインリード・ボーカルにて迫力の展開「エイント・ノー・マウンテン・ハイ・イナフ」のカバー。なんだか今回はバックボーカルやカバー曲を特筆、西寺郷太には申し訳ないけど、そのぶん熱い気持ちのこもった著書はかならず拝読しています、ご了承のほどを。
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