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2021年09月22日13:30

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ダニエルズウォシャウスキーズズックスナイダー13


パットカリフィアを調べているとBDSMというワードと出会う。パットの項目なので、なんとなくなんの頭文字かは見えてくるようで、調べると、だいたい合っている。でも、BオンDエージのBDではなかった。当たり前か。パットカリフィアやジュディスバトラーを援用して、SMによるフェミニズムの自立のことを書かれているヒトがいるようである。エスの方ではない。女王さまはすでに自立されている、御意に。エムの方、いかに自立をするのか、どんな論考か興味を持たせる。BオンDエージで、ドラッグクイーンなウォシャウスキと革パンツのヒリビリー、スナイダーを観たくなる。

『マトリックス リローデッド』
  機会あるごとに何回も観ているせいか、私の原始人のような脳味噌でもマトリックスの世界観は理解できるようになってきている。今回はエージェント・スミスといった倫理的暴力のみならず、メロヴィンジアン率いる男性優越主義もまたネオたちに襲いかかる。彼らは都市社会がアーキテクトしたマシーンやマトリックスと同じように旧態依然とした姿勢をとり続ける。ジャスティスリーグにも顔をそろえたフィッシュバーンとハリーレニックスが登場するが、これが偶然ではなく、マトリックス流にいえば必然なのであろう(註1)。エンド・クレディットに流れる曲もだけれど、全体にサウンド的にクール。禅瞑想的会話も多いが、アクション・シーンが盛り沢山で飽きさせない。
  キーワード:時間、理由、必然、選択。セリフにこれらのワードは数多く表される。理由はリーズン、理性であり、それはベルッチがランベールに見せるモーションに表されるように、必然を選択するモーションが理由を形成する。選択されながらも必然へと向かう感情は人間的なものであること表される。この作品は冒頭の方、ジーがリンクを心配するように、或いは、トリニティの死を不安するネオのように、男女の愛がメインとして表される。ランベールの裏切りに怒るベルッチやトリニティの心臓をもみもみするネオに愛のモーションが表される。
   シミュラークルに飾ったスノッブな都市が剥がされ、人間の中身、その本質が表されると、多くの映画作品で、縄文なプリミティフが表されるけれど、この作品でも同じである。されど、ザイオンでのアンダーグラウンド・パーリー、ドゥオンドゥオンと響くビートとダンスする男女たちにはその裸の心がマッチし、本質がプリミティフに表されること納得してしまう。裸の心はプリミティフに溢れ、ネオは(そしてトリニティもまた)シミュラークルに装った黒ボンデージでマスターとして破廉恥に暴れまくる。まさに人間の心を掴むことができるサディズム・マスターだからこそ至難の業をも操りえるのである。
   次回では弁証法的に、身体を解体させ自我を再構築し、新たな社会の言説をつくりえるのか。まーなんというか、、人々はマナを求めている。神秘の力であるマナ。


『ウォッチメン』
  コメディアンはアメリカにフィットしたアイロニカルな存在として表される。彼の死後、アイロニストはマンハッタンに受け継がれる形をとる。それも、人間的感情を失いつつそれを理解できないものとしてアイロニカルにアメリカに表される。
  戦後に自由はより促進され、それはまた殺しや戦争、原子力を増幅させる。自由、それは人間とはなにかを表すものとして探求される。また、自由とはなにか、それはヒーローとはなにかを表すものとしても、この作品では描かれる。
  ボンデージを脱いだダニエルとジュピターは、その裸の姿、たかだか街の愚連隊に対して骨を砕いたり突起物で刺したりといたぶり、その笑顔とは裏腹にサディズム・マスターであり、ボンデージを再び羽織ったナイトオウルとシルクスペクタターは本来の顔を取り戻し感情豊かに己の快楽を満足させるために夜の街へと出掛ける。
  音楽もエンドクレディットのレオナルドコーエンをはじめ、クラシック・ポップにロック、とてもよかった。戦後を回帰する体に合った選曲リストである。ラストは感動する。何度か観たけど最初のときも感動したけれど、正義が追求されるから、というよりも、ウェディング・バンケットや赤ちゃん泥棒、ドクトル・ジバゴやヤング・フランケンシュタインに感動したのもそうなのかな、アイロニカルなことで感動してしまうのかもしれない。
  ウォシャウスキスはトランスエステティークを描く探究をし新しい社会言説を求め、スナイダーはカウボーイにリベラルを探求する。ウォシャウスキスはバウンドを、ピータージャクソンは乙女の祈りを、サムライミはスペルを(註2)、フェミニン的にコレクトしたが、スナイダーはエンジェルウォーズを購入しようと思うが、あのワケの分からなさがおもしろいが、たしかに救いようのない終わり方である。されど、スナイダーってどれも世紀末的な暗さをともなった作品ばかりで、そこもまた妙である。アポリカプスの期待がありそれがあったかなかったかのような前世紀末から数十年経った今でも、その暗さを保ち続けているのはなんとも時代錯誤的なゴシックで、そこもまたスナイダーの魅力にも思える。


註1 スナイダーが影響を受けた映画のひとつにマトリックスがあるから、もしかしたら彼らのキャストはそれからの影響があるのではないか。
註2 ライミの作品らしくファンからは笑いが満載の作品とは言われるが、私的には降霊のとことかやはり怖くて観れず全部は制覇できていない。

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