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2020年10月22日15:42

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《2020岡山2-5》なぎモカにて

文庫本、トートバッグ、クリアファイル…ワイフさんから購入禁止を言い渡されている品々に加え、そろそろポストカードが危なかった。
東急ハンズで400枚収納のカードケースを2冊調達し、洋画家・日本画家に分別して収納。
どうにか購入禁止のお触れを免れてはいるが、またぞろ買ったままのポストカードが机上でなおざりに増えている。
だからといって、壁に貼る壁もない泣き顔
この際、東急ハンズでも開くか。(←開かない)

《岡山5》承前
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1977285603&owner_id=8666179
湯郷温泉に宿をとった理由は奈義町への導線。
クルマでわずか20分車(セダン)
中継地として、最良のポイントだった。
温泉も言わずと知れた美人の湯いい気分(温泉)ますます美人になったペンギン
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《奈義町現代美術館 Nagi MOCA》
夢の到達地。ようやくたどり着いた。
例えば「いつかは訪れたい日本の美術館30」などというムック本やCASA+BRUTUSには、必ず登場するアート+建物マニア垂涎の Must Goな僻地。
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9時30分開館の5分ほど前に到着し、中腹に美作名物の霧がかかった那岐山を視野に、屋外彫刻と外観を観て歩く。とっても良い気分である。
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当たり前のように1番手で入館を果たすと、受付のおばちゃんが笑顔で迎えてくれる。
1人700円の入館料に「優待券や割引券を持っていないか」と、気を配り、ついには、レジ下に在庫としてあった地域ガイドから割引券を切り取ってくれようとまでしてくれた。
心配ご無用。カネならあるドル袋
蟹座「割引は結構ですので、どなたか解説をいただくことはできませんか?」
ふと思いつきでついた言霊が、館長にまでわたり、またしても奇跡の館長貸切ガイドが成立したハート達(複数ハート)

館長さんとの会話がスタートする。
蟹座「たかがアート好きの一般人です手(パー)
キーワードは《養老天命反転地》と《三鷹天命反転住宅》。
この2つを伝えただけで、館長との琴線がつながった。
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エントランスカフェ。
正面のガラスの中心に立つよう指示をされ直立。
犬「遠方の那岐山頂上の稜線と、この中心が一直線です。そして、次の作品は借景の那岐山を貫くトンネルをイメージしています指でOK
まるで小田原江之浦測候所のように、計算されつくした美術館の立ち位置。

恒久作品はたったの3つ。
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『大地』(宮脇愛子)
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『太陽』(荒川修作+ギンズ)
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『月』(岡崎和郎)
これだけ。
あえて書き足すなら、磯崎新の設計作品。

それでも開館して26年目を迎え、入館者は右肩上がりに増えているという。
魅力の一つは荒川修作/ギンズの代表作でもある『太陽』晴れ
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サブタイトルの「≪遍在の場・奈義の龍安寺・建築する身体≫」は、黒のらせん階段を上がってきただけで、三半規管のどこかに狂いを与え、展示室に入ると平衡感覚を失っていく。そう、まるで養老天命反転地に入った時のような感覚。
横たわる龍安寺の枯山水とシーソーと鉄棒。違和感は五感で払しょくされる。
館長の流暢なガイドが進む。
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犬「このシチュエーションがインスタ映えすると大評判になっていて、女子ばかりがここに訪れてくるようになりました。ほんとうに女子ばかり」
インスタに詳しい女子から膨大な量の『太陽』を見せられると、館長の顔はますます綻び、そして誇り高くNagi MOCAを語る。
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宮脇作品『大地』を観て、鈴木大拙記念館の話題を振り、『太陽』には三鷹天命反転住宅、そして『月』では、共鳴する会話の中に『MOT』の話題をぶち込んだ。
蟹座「都会の粗大ごみでしたね」
犬「磯崎先生はそんなつもりでメタファーしたわけではないのですが、格好の標的になってしまいました」
都議会でリキテンシュタインの代表作が6億円で買われたことを取り上げられ、学芸員が野党から総攻撃を食らう。いまでは、そのリキテンシュタインはプライスレスなほどの価値を高めてMOT(東京都現代美術館)のシンボルにさえなっている。
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犬「10年間、叩かれ続けました泣き顔
かなり多くの時間を割いて語ってくれたのは、美術館苦悩の歴史。もはや、作品のことではない。
限界集落となりうる奈義町にも、何かインバウンドを呼び込むディープインパクトなものを。と、掛け声をかけた当時の町長は、野党、特に芸術には一切の理解を示さない左派政党の猛反対を押し切って、一風違ったハコモノ芸術品を作り上げた。
当時の評判は散々で、Nagi MOCAが作られた次の選挙では、左派政党が過半数を占め、町長は落選の憂き目にあう。

ところが、荒川修作が残したこの作品は、海外から望外の評価を受け、特に亡くなった2010年以降は、彼の代表作として多くの現代アートファンが奈義詣でに出かけるようになった。
クソコロナな今年を除けば、毎年毎年来館客は右肩上がり。
ここの翌年に開設された養老天命反転地のみじめさ(川オス評)と反比例の評価を受けるようになった。
今では、10年間批判続けた左派たちも「おらが町の自信作」。
マヌケな痴呆議員たちである。

周回を終えてスタートラインに戻ると、10名ほどの入館客が列を作っている。
蟹座「別のお客さんが来ているのに、付き合っていただき申し訳ありません」と告げると、館長まんざらでもない様子で、神奈川県民にガイドをした喜びがあふれていた。
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犬「クソコロナで企画展が次々と中止になっていますが、秋に開催しようと思っていた作家さんの作品です。2016年のVOCA大賞に選出されました」
蟹座「第一生命ギャラリーに展示されるVOCAですね。今年も観てきましたよ手(チョキ)
話が早い。
そういえば、この作家さんも神奈川県出身で奈義町に嫁いだのだとか。
犬「この近くにギャラリーがあります。作家さんもいるかもしれません。私の名前を出してもいいですよ」
これだけでも僥倖じゃないか。

Tripenart岡山最終日のこの日。
こののちにも長躯移動して、2つほどの観光を企てていた。
3つしか展示作品のない奈義町には、1時間もいれば充分だろうとタカをくくっていたが、館長に名刺をいただき別れを告げたのは1時間を30分過ぎていた。
そして、館長さんの推奨により、クルマで5分ほどのギャラリーとやらを訪ねることにしよう。いつものように、一期一会。
(つづく)



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https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=114&from=diary&id=6277795

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