『
ある画家の数奇な運命』
ドイツ現代美術の巨匠ゲルハルト・リヒターの半世紀を基にしたというドラマだが、どこか中途半端な印象を受ける。
一人の若き芸術家が“自分の画風”を見つけるまでの道のりを描くということなのだろうが、各エピソードがよくあるような出来事で伏線回収も半端なまま終わる散漫さ。
「幼少期」、「東独時代」、「西独時代」の3つのパートからなるが、主人公にフォーカスするなら最初のパートがあまりに叔母に寄りすぎていて、青年期の話とつながりにくい。
思い切って端折っても良かったのではないか。
運命的な出会いをして妻となったエリーの父の秘密の暴露が不十分で終わるのがモヤモヤする。
実話ベースでモデルとなった芸術家が存命であるから自由に書き換えにくい点はあったかもしれないが、わざわざ名前を変えてフィクションに仕立て上げているのならば、スッキリまとめ上げて欲しい。
加えて商業映画として適切な長さに配慮も…。
もし、3時間という上映時間に必然性を見出すならば、それは一人の芸術家を通して激動のドイツの変遷や美術史の変化の経緯を俯瞰で見つめるということになろうか。
ただ、それが狙いなら演出は違ったのでは…。
西ドイツの美術教師の背負った重さはずしりと響いた。
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