海よりもまだ深く

死んでもいい、を観ようとしたら、『海よりもまだ深く』が始まった。かけ間違ったけど、続行。おもしろかった。歩いても歩いても、よりもこっちの方が好きである。前に観たときは台風の公園のとこは蛇足のように感じたけど、今回はあれがなければならないな、となる。海よりもまだ深くの後には、いろいろ言葉が続くのだろうけれど、樹木希林が阿部寛に海よりも深く誰も愛せないから人生はやっていけると言うけれど、愛するパートナーへの愛もあるのかな？でも、確実に親子の海より深く愛することは主題としてあるな、と今回思うのであった。この映画が以前気に入ったのは、未練タラタラなハードボイルドの阿部寛のキャラがおもしろかったからと思ったからかな。ハードボイルドの探偵は未練タラタラだから、いつもひきずっている。ダシールハメットもチャンドラーもそうだと思う。愛していたけど別れた女性と数年後に道端で会って、ホントに忘れていて、どちらさまでしたっけ？とはサムスペードは言わないだろう。未練タラタラと、ほんとになりたいものには大人はなれないんだよ、って言う阿部寛だけど、それを暖かくばかげて面白く切なく表しているところがおもしろい。だけれど、そこだけでよかったのではなく、親子愛があらわされるそこらへんも実はよかったからおもしろかったんだろうなと、今回気付かせられるのであった。