---------------------------------------------
ネヴァ川（ロシア語:Нева ニヴァー）とは、
ロシア北西部のラドガ湖からカレリア地峡を経て
サンクトペテルブルク市内を流れ、
フィンランド湾東端のネヴァ湾（Neva Bay）に注ぐ全長約74kmの川。
全長74kmのうち、28kmはサンクトペテルブルク市内を流れ、
残りの大部分もレニングラード州内を流れる。
川幅が広く航行可能なため、中世の時代から
バルト海沿岸と東洋との交易において重要な位置付けをされていた。
1240年にはこの川を巡りネヴァ河畔の戦いが起きている。（Wikipediaより）
---------------------------------------------
ロシアのサンクトペテルブルグに住む人々にとっては
雄大な母なる川なのだろう。
パリの亡命ロシア貴族たちの溜り場が
「ネヴァクラブ」という名なのもそういう所縁だと思われる。
「The Neva Flows(ネヴァ川の流れ)」はグレブのソロ曲。
ボルシェビキ（ロシア政府）の殺風景な事務室で歌われる。
政府は街に広がるアナスタシア生存の噂に神経を尖らせていて、
調査の一環としてアーニャも確認のためにここに呼びつけられる。
記憶喪失のアーニャは、彼女をアナスタシアにでっち上げ、
賞金目当てでパリに住む皇太后のもとへ連れて行こうとする
詐欺師ディミトリとヴラドとともに、
皇女らしくふるまうべく、ひそかに猛特訓している最中だった。
グレブは最初、机に向かっていて、
連れてこられた娘が以前会ったことのあるアーニャだと気付かない。
厳しい声、厳しい顔で問いただそうとして初めて顔を合わせ、
表情は一変する。
「やあ！君。
あの震えていた道路掃除人！」
なんと嬉しそうな顔をするのだろう。
全身から好意があふれている。
しかし彼女が噂の主の、アナスタシアもどきだと知り、
その表情は曇り、警告する。
ロマノフ一家は一人残らず死に絶えたのだ。
ロマノフ家の警護官だった自分の父が、
上官に命じられて射殺したのだ。
馬鹿げた夢に乗っては危険だ、と。
（＊歌詞は記憶が基なので正確ではないかも）
--------------------------------
広がる噂に気をつけろ
危険な噂だ
私は真実を見ていた
逃れた者はいない
囚われてゆくアナスタシアの
強い眼差しを見た
父は銃を手に家を出た
任務のために
流れるネヴァ川
また春は来る
ロマノフは死に絶えた
革命に感情は要らない
「私は悲鳴と銃声を聞いた
だが一番覚えているのはその後の静寂だ」
その時世界は全ての
呼吸を止めた
自分を恥じて父は死んだと
母は言うが違う
父はただ忠実に任務を果たした
誇りを胸に
流れるネヴァ川
また春は来る
ロマノフは死に絶えた…
「俺なら引けただろうか？
引き金を…」
夢に惑わされるな
「革命に感情は」
要らない
--------------------------
父に対する複雑な思いと、彼女への思い。
アーニャに、そして自分に言い聞かせるように歌うグレブ。
「ご忠告ありがとうございます」
と言うアーニャを見つめ、グレブは忠告する。
最初は親身にやさしく。
「新しい友達として言う。
気を付けるんだよ、アーニャ」
しかし去ろうとする彼女の腕を
がっと掴んでさらに言うのだ。
「警視副総監グレブ・バガノフとして言う、
充分に気を付けろ！」
この落差には、息を吞んだ。
「新しい友達」という表現の純情に胸を突かれ、
彼女への恋情と任務との板挟みで揺れる心が、
手に取るように分かる。
彼女が去った後も、触れた彼女の感触を
確かめるかのように、振り切ろうとするかのように、
しばらくかすかに掌を動かしながら、
追憶するように歌う。
-----------------------------
囚われて行く子供たちを見た
「…まさか…」
アーニャ―――――！
ログインしてコメントを確認・投稿する