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2019年04月27日01:33

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『マイ・ブックショップ』

『マイ・ブックショップ』

 人生は時としてささやかな望みさえかなわない時がある。
夫を戦争でなくし、本屋を開くことが夢だったフローレンスに降りかかる災難。
閉鎖的な村社会の不条理と不寛容に追い込められる姿は見ていて気持ちが重くなる。

 今では古典の名著となっていても、(劇中の)当時は流行の最先端だった書籍に壁を作る町人たち。
そんな窮地を偏屈ではあるが学識ある老紳士の支援で支えられる。
当時の新しい書籍として紹介される「華氏451度」が映画を象徴する。

 『死ぬまでにしたい10のこと』のイザベル・コイシェ監督がペネロピ・フィッツジェラルドの原作小説を映画化。
緑系統でまとめ上げられた美しい色彩設計は心がホッと休まる思いがする。
地域の有力者が幅を利かせて小市民が泣きを見るイジメ社会や書店がどんどん閉店に追い込まれている今の日本にとっても他人事ではない気がした。

 自分でカスタマイズした居心地のいい空間を作り出す過程は魅力的だし、誰しもが共感できる点があるのではないか。
きっとよき思いは誰かに伝播して善き影響を与えられるのではないか。
まさにそれは本の役割と重なるようでもある。

 凛とした佇まいのフローレンスを演じたエミリー・モーティマーもチャーミングだし、よき理解者となるビル・ナイはいかにも英国紳士という雰囲気が漂う。
幕切れにはギョッとなったが、決意表明のようなものだったのだろう。

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