『
グリーンブック』
今も色濃く残る人種差別をテーマにし、第91回アカデミー賞で作品賞を受賞しただけあり力のある作品に仕上がっていたと思う。
実話が基になっているが、人種間を超えた友情物語は特に珍しいわけではない。
だが、ここで上位の立場にいるのが黒人の方で仕える方が白人という構図だろうか。
今以上に人種差別が色濃く残る1960年代が舞台。
黒人ピアニストと白人の用心棒兼運転手が南部公演の旅に赴くロードムービー。
行く先々でトラブルに巻き込まれながら友情を深めていく。
コメディ映画で知られるファレリー兄弟の兄ピーターの単独監督作というのも珍しいが、随所にコメディ畑で培われたセンスを見せる。
かなり体重を増やして喧嘩っ早いイタリア系のトニーを演じたヴィゴ・モーテンセンの熱演と正反対で物静かな品格ある名ピアニスト“ドクター・シャーリー”を演じたマハーシャラ・アリ。
米国での黒人文化の対する理解の真逆さも面白く、互いにないものを教え合いながら溶け合っていく様に心温まる。
偏見や先入観を持っている人でも悪しき行いを改めることができるという誠に間口が広く批判されにくい良作だが、難癖をつけるならそういった優等生な所がアキレス腱だろうか。
付け加えるならば、グリーンブックが出版されていた当時に作られていたら最高だったと思う。
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