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2019年03月17日01:18

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『運び屋』

『運び屋』

 俳優業から身を引いていたクリント・イーストウッドが『人生の特等席』以来の復帰。
自身の監督作となれば『グラン・トリノ』から10年ぶり。

 「ニューヨーク・タイムズ・マガジン」に掲載された実話を基に作られたそうだが、上記2作と通じるものがある。それゆえの俳優復帰作でもあったのだろう。

 無事故無違反のためにドラッグの運び屋として目をつけられた90歳のアール・ストーン。
クリントが自分自身の人生と重ね合わせるかのような家族と十分な時間を割いてこれなかったことへの反省が役柄を通して語られる。
娘(実の娘が演じる)にキツイ一言を言われるくだりはフィクションなのかドキュメンタリーなのかと思うほど。
自身の作曲を使うことでも知られるクリントが他人のヒット曲を口ずさみながらのドライブは微笑ましくもある。

 ドラッグの運び屋というシリアスな題材だが、時にコミカルな演出が緩急をつけていてシンプルな筋運びながら退屈することはない。
メキシコの国境問題やドラッグ、老いの問題、家族との絆と言った今の時代に我々を取り巻く問題点が織り込まれる。
実際に自分の身内なら結構厄介なジジィと思うに違いない。(笑)
頑固で自分の住む世界以外に興味を示さず、好きなことをして生きてきた男が人生の終盤と向き合い、断ち切ってきた世界とつながろうともがく姿は共感できる点はある。
ダメなジジィなのに憎めない魅力があった。

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