『
教誨師』
今年も多くの映画人が鬼籍に入ったが、名バイプレイヤーとして名をはせた大杉連もその一人。
主演のみならずエグゼクティブ・ディレクターに名前を連ねていることからも本作にかける意気込みは伝わる。
監獄内における受刑者の徳性涵養のため講説する者を《教誨師》というのだそうだが、本作では死刑囚のみを相手にする。
劇中では6人の死刑囚と向き合い、心の在り方を探る。
それは相手だけでなく、むしろ自分への戒めにも思えてならない。
死刑制度への功罪の論議は今も決着はつかない。
立場が変われば意見もさまざまだろう。
とても重い題材で、ほとんど教誨室という閉ざされた密室で繰り広げられるゆえ息苦しくあり、膨大なダイアログで構成された劇は舞台を見ているかのような錯覚を覚える。
BGMを排除したスタンダードサイズも本作の資質とは合っている。
まさに大杉連にとって渾身の一作に思う。
はからずも本作が主演最後になってしまったが、どこかで予期していたのではないかと思われるほどの熱意を感じる。
6人の死刑囚もそれぞれ個性的な俳優が演じるが、中でも明け透けなおばちゃんを演じている烏丸せつこが秀逸。
ラストシーンに身震いする。
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