ラテンビート映画祭(LBFF2018)から2本だけ鑑賞。
『夏の鳥』
コロンビアの先住民、ワユー族というのをご存じだろうか?
恥ずかしながら初耳だったのだが、北部ラ・グアヒラの砂漠で暮らす先住民でマリファナを自分たちのために栽培していた。
『バリー・シール』の向こう側の世界が見られる。
1970年代頃までは古いしきたりの中で生活していたワユー族。
婚姻にしても家族の長が承諾しないことには決まらない。
婚姻の引き出物に資金が足りずに外国人にマリファナで外貨を稼ぐことを思いつく。
それは自然と質素で昔ながらの生活を求める者との軋轢が生まれるきっかけにもなる。
貧しかった生活を脱して成金生活になる主人公の一家。
しかし、小さな綻びは大きな崩壊へとつながる。
なまじお金持ちになったゆえ、傲慢な生活をする跡継ぎのボンボン。
調子に乗ってヘマをするのだが、人間が未熟ゆえ解決の方法を誤ってしまうことからキズ口が大きくなる。
荒涼とした砂漠の中にポツンと建つ豪華な邸宅や彼らの伝統的風習が興味深い。
生活に呪術的なものが入り込んでいるのは各地の部族に広く見られる共通点か。
主人公の最後の一言が突き刺さる。
2019年度の米アカデミー賞外国語部門にコロンビア代表として出品。
『相続人』
熟年のレズビアンカップルの話。
社交的なチキータと部屋にこもって絵を描くのが趣味なチェラ。
チェラが相続した調度品などを売って生活している。
ある時、チキータが刑務所に収監されてしまう。
あまり外へ出ることのなかったチェラは面会をきっかけに外の世界に触れてゆく。
いやでも外部の人間と交わることで自然と自分の生活も変化してくる。
近隣の高齢女性の運転手役をやっているうちに自立心が芽生えてくる。
チェラに絡む年下の女性の自由奔放な生き方が内向的なチェラを変える。
最終的に自由であることや自分の存在価値の味を覚えたチェラはもう元の自分には戻れない。
最後の行動が鮮やか。
ほぼ自然光だけと思われるドキュメンタリーのようなタッチ。
派手な演出もなく抑えた芝居が臨場感を高めている。
変化するヒロイン役の演技が魅力的でベリリンで女優賞を獲得。
監督はこれが初長編作となるマルセロ・マルティネッシ。
同じベルリン国際映画祭ではアルフレッド・バウアー賞に輝く。
しかし、あちらの刑務所の面会の自由さに驚く。
2019年、米アカデミー賞外国語部門のパラグアイ代表作品でもある。
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