『
運命は踊る』
3章からなる不運な悲劇。
寓意に満ちた運命のいたずらを一触即発の状況下にあるイスラエルで展開。
監督は『レバノン』がベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞したサミュエル・マオズ。
本作も同映画祭で審査員大賞を受賞。
固定カメラで長回しショットが多いのも舞台劇を思わせる。
家族の崩壊と絆の大切さを、おそらく国の歴史と重ね合わせているのではないか。
第1章で両親の衝撃を受けたシーンからガラリとテーストを変えた第2章の温度差が何とも言えない味わいを持たせる。
「親の心、子知らず」といったのんびりした光景に不条理劇としての側面がよく表れている。
象徴的に使われるコンテナの演出もまた良い。
軍への不信が思い切り描かれるのでイスラエル政府としては面白くないだろう。
原題となっているダンスのステップ<フォックストロット>。
監督は言うにはこの世代がトラウマから抜け出したと思ってもまた元に戻ることの例えだということ。
ステップの<フォックストロット>ありきの脚本がやや型通りの印象も与えるのは惜しまれるが、この邦題で良かったのか。
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