『
女は二度決断する』
ドイツ警察にとって戦後最大の失態として語り継がれるネオナチによる連続テロ事件を題材にした映画。
トルコ系ドイツ人の巨匠ファティ・アキン監督とドイツを代表する女優ダイアン・クルーガーによる迫真のドラマから目が離せない。
理不尽なテロ事件は後を絶たないが、これもそうしたテロの被害となって残された家族の内面を描き出す。
章立てで進行し、生粋のドイツ人カティヤ(ダイアン・クルーガー)がトルコ移民ヌーリ(ヌーマン・アチャル)と結婚して生まれた愛息ロッコと三人で過ごす幸福な暮らしぶりから事件、裁判と順立てで展開。
事前に見知った予告で第2章まではある程度推測がつくので、見どころは第3章だろうか。
邦題にある“二度目の決断”には賛否があるかもしれない。
着目すべきは監督がトルコ人であり、主人公がドイツ人だという点ではないだろうか。
ネタバレする前に見て欲しいのが本音なので、事前情報はあまり仕入れない方が楽しめると思う。
ウマい演出だなと思ったのは、ヒロインが裁判の証言のあとで容疑者の父に近づき<タバコの火を借りる>箇所。この後のヒロインの台詞は<火を借りたこと>への返答だけではないだろうということ。
世界で“負の連鎖”はとどまることを知らない。
では一体どうしたらよいのか。そんな問いに対する一つの究極の答えかも知れない。
安易な“負の連鎖”という言葉ではくくれないヒロインの決断に深く考える。
ヒロインの決断に異論があったとしてもダイアン・クルーガーの大熱演に異論はあるまい。
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