『
ベロニカとの記憶』
『めぐり逢わせのお弁当』で長編デビューしたリテーシュ・バトラ監督待望の2作目は英国ブッカー賞受賞のジュリアン・バーンズの「終わりの感覚」の映画化。
原作は未読ながら、もしかしたら原作の方が良いかもしれないと思った。
映画の出来そのものというよりも題材が小説向きと思えたため。
ロンドンを舞台にした記憶と時間をめぐるミステリーで、人の記憶の曖昧さを巧みにつく。
シャーロット・ランプリングの出演と、一通の手紙が過去の記憶を呼び起こし、運命の歯車が動き出すといえば、
『さざなみ』を想起してしまう。
ただし、こっちは立場が逆。
過去の出来事に疑いを持って探り始めるのは思いを寄せていた高齢の男性トニー(ジム・ブロードベント)の方。
学生時代の親友の残した日記が鍵になるのだが、初老の現在と学生時代の過去が並行して描かれる。
トニーが小さなカメラ店を経営している事やクローズアップされる腕時計のことも<真実と時間>といったテーマに即している。
盲点をうまくついたミステリーになっていて、最後には思わず膝を打つ。
人生も終わりに近づくと誰しもが自身の過去を顧みる。
若気の至りという言葉があるように、得てして若者は過ちを起こしがち。
そこでの記憶は美化されることもしばしば…。
ある意味、過去に整理をつけるという意味で、これも終活と言っていいのだろうか。
試写会@京橋テアトル試写室
1月20日より公開
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