『
デトロイト』
米国のデトロイトというと、かつてはモータウンと自動車産業で栄えた街という印象がまず浮かぶ。
そして現在は荒廃して治安の悪さで有名。
確か、映画『ロボコップ』も近未来の荒廃したデトロイトが舞台だった。
第一次大戦後に、黒人らが職を求めてこの街に多く流入してきた歴史があるという。
本作は1967年に起きた“アルジェ・モーテル事件”を基にしている。
リアルな描写で臨場感たっぷりの演出を見せるキャスリン・ビグローが『ハート・ロッカー』『ゼロ・ダーク・サーティ』でも組んだ脚本家マーク・ボールと三度目のコラボ。
近年でも黒人を射殺した白人警官の事件(映画『フルートベール駅で』の“オスカー・グラント三世射殺事件”)があったが、半世紀前にも似たようなことが起きていた。
現在の黒人社会が白人社会に反発するのも無理からぬ歴史を感じる。
今でも米国は人種差別が残るが、当時の酷さは目をそむけたくなるほどで白人と黒人間の軋轢はまさに一触即発。
些細なことから暴動に発展する様がスリリングに描き出される。
荒廃した街はまるで内戦状態。これが60年代のアメリカの姿なのかと愕然となる。
延々40分にも及ぶ尋問シーンの真に迫る様子は作り物と分かっていても手に汗握る。
警官と被害者の間に立つ難しい役どころを『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でも知られるジョン・ボイエガが演じ、問題の差別主義者白人警官をウィル・ポールターが好演。
(ちょっとした目つきや仕草が上手く心情を伝えている。)
いずれのキャラクターも人間らしい多面性を持たせることで、深みのあるドラマに仕立て上げた脚本家の手腕は見事と言える。
逃れたくなる142分だったが、一方では絶対目が離してはならない使命感のような感情もわき上がる。
米国の内戦はまだ続いている。
試写会@映画美学校
1月26日より公開
劇中の歌には対訳がついていたが、エンディング曲にはなかった。
もしかしたら大事な内容だったのではないかな?
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