『
ハートストーン』
アイスランド映画が日本公開されるのは珍しい。
それもそのはず、そもそも製作される本数が圧倒的に少ない。(年間10本程度と聞く)
それなのにこれだけの水準の映画が作られるということは、質は量と比例しないことを意味する。
アイスランドの小さな漁村が舞台であるが、どこの国の小さなコミュニティも同じようにゴシップに飢えて、悪い噂は瞬く間に広がる。
男女4人の性の芽生えが瑞々しい映像とともにセンシティブに描かれる。
こうした小さな世界では全員が顔見知りで、交友関係も皆が周知のこと。
誰と誰がどこで何をしたとかは全て筒抜け。
ただ、案外と知らないのは自分自身の事というのが皮肉的である。
思春期の心と体のアンバランスさがよく出ている。
LGBT映画として見られるが、それよりも子供の成長気における不確定要素に目を向けるべきではないか。
自分が考える自身の理想像は本当の自分なのか。
大人や周囲が子供に与える先入観や偏見の扱いも注意深くすべきであろう。
些細なことでも思春期の子供にとっては大きな影響を与えるものだから。
様々な動物の生死が暗喩として使われるのも効果的。
包み込むような自然光による美しい撮影も見どころ。
ただ、展開の遅さに少しイラつく。
この監督の生理的リズムなのかもしれないが、もうちょっとスムーズに流れても良かった気もした。
ログインしてコメントを確認・投稿する