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2017年08月09日02:31

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『夜明けの祈り』

『夜明けの祈り』

 戦争の歴史を紐解くと、そこには例外なく女性への凌辱が付きまとう。
第二次世界大戦末期のポーランドで修道女たちが受けた仕打ちと、兵士の治療のために赴任した赤十字分の女医マチルドとのそれぞれの立場の違いが重くのしかかる。
実在したフランス人女医マドレーヌ・ポーリアックの手記を基に創作されたらしいが、望まぬ妊娠や出産に背徳感を覚える修道女たちの姿に声も出ない。

 『ボヴァリー夫人とパン屋』のアンヌ・フォンテーヌ監督は前作とはガラリと雰囲気を変えた静謐なシリアスドラマを持ってきた。
信仰の道に外れた妊娠を恥とする修道女と、誰の命であっても救おうとする女医。
十字架と赤十字という二つのクロスを背負う者たち、それぞれの理念のぶつかり合い。
修道女も女医のどちらの言い分も間違ってはいない。それだけに事態は深刻。

 見事なまでの女性の映画。
主要な登場人物もスタッフも女性が担うだけでなく、描かれる問題点も女性が今でも直面するもの。
数少ない男性キャストで存在感を示すのが同じ赤十字の医師を演じるヴァンサン・マケーニュというのはマチズモな環境下(こわもて上司とか女医が少ないとか…)で来たるべき世界を指し示すようではある。
キリスト教に疎い身としては、修道女にここまで厳格な決まりごとがあったのかと茫然となる。

 修道女らが信仰と現実とのはざまで次第に<女性>として目覚めて行く過程が見どころか。
修道院内部や森の景色の美しさも必見。

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 異なる立場を超えて見出した解決策には、これからの未来に希望を抱かせるようである。

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