『
ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣』
孤高の天才という言葉がある。
孤高になれるから天才なのか、天才とは得てして孤高にならざるを得ないのか。
どんな分野でも頂点に孤独はつきもの。
選ばれしものの宿命ではあるが、才能とメンタルはイコールではない。
若くして成功をおさめ、英国ロイヤルバレエ団のトップダンサーになるセルゲイ・ポルーニン。
しかし、あっという間に彼は去ってゆく。
行く先々でも人気をつかんではまた新天地へ…。
容易につかめない彼の内面を追いながら再生への道を追うドキュメンタリー。
最初の登場シーンでタトゥーだらけのセルゲイに一瞬凍りつく。
クラシック・バレエ・ダンサーのイメージを覆す姿がそこにある。
そして思いのほかポップス&ロックがBGMに多用されていて驚くが、セルゲイが特別な人間ではなく、悩める一人の“今どきの若者”である示唆なのか。
貧しい家庭環境にあって献身的な家族の支えでバレエ・ダンサーの道が開けたというのに、この自暴自棄とも思える生き方は何だろう。
しかし、インタビューや映像から彼の真意が見えてこない。
単に未熟で身勝手な人物にしか感じられないのだ。
バレエは全くの門外漢なので、彼のダンスの凄さは微塵も理解できているとは言えないが、それでも身体能力の高さは十二分に伝わる。
確かにダンサーとしての能力は一流なのだろう。しかし、映画としての出来栄えはまた別だと感じた。
(映画化するのが早すぎたのではないだろうか?)
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