『
ウィッチ』
ひところ流行った<実は怖い童話>というシリーズを思い出す。
欧米には古くから魔女や狼、魔物にまつわる言い伝えがある。
そういった文献や伝承から様々な童話が作られたように、これは映画で描かれた魔女の話。
1630年、ニューイングランド。敬虔なキリスト教徒である一家が村を追放され人里離れた荒地に越していく。
しかし、赤子のサムが何者かに連れ去られてしまう。
やがて不可解な出来事の整合性をつけるためか、一緒にいた愛娘トマシンに猜疑心の目が向けられる。
医学もろくになく、子沢山なのは生存率の低さが災いするということもあろうが、その原因を他者へ責任転嫁をしたいという弱さは人間なればこそ。
「魔女」とはいったいどういう存在なのか。
「魔女」の真相はどこにあるのかという考察は興味深いし、単なる昔話で終わらせているわけではない解釈を楽しんだ。
やはり一番怖いのは、飢えや貧困でもオオカミでもなく人間の弱い心そのものなのだと感じ入る。
疑心暗鬼の目を肉親から向けられて居場所がなくなった少女の向かう先に声を失う。
美しくも寒々としたトーンの映像が特色。
コケ脅かしに走ることなく静かな闇がジワジワと迫りくるのも他のホラー作品とは一線を画す。
当時の衣装や雰囲気の再現もよくできているのではないか。
何といっても長女トマシンを演じるアニヤ・テイヤー=ジョイの存在だろう。
本作でM・ナイト・シャマランの目に留まり『スプリット』出演となっただけある惹きつける何かを持っている。
サンダンス映画祭で監督賞受賞したロバート・エガースは本作が長編デビューというから将来が楽しみ。
原題がThe WitchじゃなくVVitchと古英語の二重字で表記されるのも趣向を感じる。
7月22日より公開
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