公開初日に鑑賞したが、UPする暇がなかった。(そしてこのタイミングを逃すとまた先送りになるため多少無理してでも…汗)
『
マンチェスター・バイ・ザ・シー』
評判にたがわぬ傑作だと思うが、その魅力を言葉で伝えるのが難しい。
話を説明することもできるし、美点を取上げることも出来ようが、それで魅力が十分伝わるような気がしない。
とても静かで淡々としたお話で挫折や喪失を抱えたことがある大人の映画ということができようか。
兄ジョーがなくなり戻りたくなかった故郷マンチェスター・バイ・ザ・シーへ向かう弟のリー。
誰かが亡くなった兄の代わりに甥っ子の面倒を見なければならないが、ジョーはそれをリーに託したいと考えていた。
条件はその町に住むことだが、過去にあった“何か”が決断を遠ざける。
過去をやり直したいと思うことは普遍的だし、向き合いにくいことも容易に想像がつく。
故郷を離れた謎を紐解くミステリーとその裏にある心情や葛藤が巧みに描かれる。
挿入される過去の断片が謎解きのガイドとして丁寧に観る者を導く。
父ジョーを亡くした息子と謎めいたリーの組み合わせが絶妙。
しかも脚本の仕掛けが波状攻撃のように二段構えなので腰が砕けそうになった。
感情の爆発の瞬間が見どころの一つ。
オスカーに輝いたケーシー・アフレックの抑ええた演技も見事だが、短いながら印象強いミシェル・ウィリアムズも忘れがたい。
『ソロモンの偽証』など映像作品にはしばしば用いられる“アルビノーニのアダージョ”がゆったりと包み込むように流れる。
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