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2017年03月21日21:30

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ビッグ・リボウスキ



『ビッグ・リボウスキ』
 デュード、気になる彼奴。彼は金ではなく絨毯を欲する。こだわりがある。彼は友だち思い。だらしないけど誠実である。発破にハッシシ、自由を求めている。彼は冒頭の、タンブルウィードのように、自由気ままに生きている。偶然に流され生きている。彼が登場するLAのスーパーマーケットは、消費社会における自由の大地。ミルクを確かめ飲む。確かめられたミルクは、ホワイトロシアンにフィットする。
 彼は無重力にいきたいけれど、重力は逆らえない。ボーリング、コントロールを完全にとることができない偶然の産物。寧ろ、カッツーンという軽快なサウンドが欲望される。ロサンジェルスという消費社会には、それが求められている。偶然のぶつかり合い。
 ふたりのビッグ・リボウスキ。金持ちの方は意外と小物、自由を愛しているのに勤勉を説く。のに、汚い。ドイツ人たち、そしてデュードの友人ソブチャックも金をせしめようとする。金に群がる者たち。礼儀知らず、言わば、クソ野郎たち。ポルノ産業のボスは彼が住むコミュニティーでは尊ばれている。金の亡者は謎の人物たちである。タトゥーロ演じる男もシュリース演じる男もステレオタイプにしていながら謎である。キャザラ演じるトリホーンの落書きする大きなシンボルに表されるように、深層心理にドデカいアメリカンドリームを抱えている。ミステリアスなクリード。一方、デュードがラリって見る夢は空飛ぶ絨毯に乗るモードであったり、彼女とのエクスタシーであり、ドイツ人に追いかけられたり、オブセッションである。彼と同じように自由気ままなバニーは、デュードが逃げれなかった世界から逃避する。モードはデュードを誠実と思っている。だから、受胎をする。

   誠実とはなにか。コーエンズは彼らのテクスト、繰り返し問うのである。 




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