リアル鬼ごっこ & 極道大戦争

『リアル鬼ごっこ』
　　『自殺サークル』的な、なにがなんだか、が表されていて、ソノらしさスワンより出ている気もしたけれど、訳の分からなさよりも寧ろ、理路整然としたものが表されている感覚である。
　理に適った路であるが、ポエムから無垢に還る。メンズファンタジーに対する警告、というより、システムからの逃れを女性を“使って”表したセンス。されど、イデオロギーがメンズファンタジーであるとしたら、どちらにしても、それに対しての警告ないしメッセージが表されているのかもしれない。メッセージはやはり園さん的である。そしてまた、陳列された社会から逃れるため自身を引き裂きシュールを生きるはもまた、園さん的。ラストの白化粧。詩、、死ではなくし無に還る。ナッシング或いはナンセンス。

HKTシアターに今だ行っていないという緊急事態において、ARB48のリーダー石橋凌が福岡にやってくる。キースのドラムをバックに合わせ響く歌声のように、『自殺サークル』と『オーディション』はマニアックにニヒリズムを高揚させた。


『極道大戦争』
　　Hな厭らしさはないけれどカイエ系の現代クリティックからこれぞシネマって唸らせる嫌らしさがある。イエローモンキーな圀が生んだミイーケであるグラシアス、図太さジャポン！
　　カエルに還る。園のようにメッセージなどない。これぞ三池節、全開である。かつてのようにではないけれど、メジャーになってからスッキリとやれたのではないかという気にさせる気になる作品であった。市川隼人と成海璃子の病院のシークエンスの長回し、色や雰囲気がなにかレイニードッグを思い起こさせたり、全体的な雰囲気も『漂流街 THE HAZARD CITY』を思い起こさせてくれたりと、意識の想起のところも『オーディション』を思い起こさせたりと、あれこれ集大成に思わさせてくれるところありで、総体的に意味不明であり、それがなにより三池のニヒリズムだと納得できてヨカッタ。