『
エリザのために』
『4ヶ月、3週と2日』(パルムドール)、『汚れなき祈り』(脚本賞)に続いてカンヌで3度目の受賞作品となったクリスティン・ムンジウ監督。
確かにダルデンヌ兄弟の名前が引き合いに出されるのは合点がいく。
暴漢に襲われたために、大事な留学のための試験で合否が危うくなった娘を救うために裏工作に走る父親を描く。
子を持つ親なら、誤った橋でも渡ろうとする父親に共感できないまでも一定の理解はできるだろう。
過程と結果のどちらが大切かという問いの正解は簡単ではあるまい。
そこにはルーマニアという“正しい努力が通用しない”土地柄も横たわっているように感じられる。
一家族の個人的な事情から始まって背後にある社会の病巣に迫る描き方の重厚さはさすがの手腕を感じる。
子供遊びの順番待ちやエリザのために便宜を図る副市長の手術のゆくえなどの比喩は考えさせられる。
終始バストアップのハンディカメラ長回しを多用し、視点の高さで対象となる人物をつかず離れず観察するように寄り添う。
希望を持てない国であっても、どこかに救いを見つけようとしているラストショットは印象的な余韻を持つ。
老婆心ながら、映画を見る予定の方は予告編を見ておかない方がいいかも…。(汗)
1月28日公開
試写会@ユーロライブ
えっ…と、実は試写会で気になる客がいた。
時節柄、体調を崩したり咳き込むことはあるだろうけど、後方の(たぶん中高年男性)客が中盤からずっと咳き込みむせていたのはどうかと思った…。
まず、口元を押さえないのは社会人としてのマナーというか常識が欠如しているのじゃないかと。(汗)
万全の体調でないなら、他の<観客のために>あきらめて退席するくらいの“常識”は必要だろう。あくまで<自分のために>なのか。(なんだか映画の内容とダブるな)
真面目な話、咳の音が大きすぎて肝心なくだりから話に集中できにくくなって困った。
…と思っていたら、前席の女性も小さく咳き込みはじめ、しまいには右隣の女性客までもが…。
ここまで重なると笑うしかなくなる。(苦笑)
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