ジムが裁かれる公開裁判。
「正義の裁判」と謳いながらも、その実は裏交渉で金を出さなければ、
あっさり死刑となる恐ろしいもの。
限定された場所での、公正さのかけらもない私刑(リンチ)に等しい。
せっかく樵(きこり)仲間ビルの証言により、
♪それなら無罪だ ジム・マホニー
それなら無罪だ ジム・マホニー
と盛り上がった群衆たちが、
三人悪党たちに札びらを掴まされて一転、
♪それでも死刑だ ジム・マホニー
それでも死刑だ ジム・マホニー
奴を殺せ
と声を揃える怖さ。
この場面を観て、ふと思い出してしまったのは、
その昔NHK音楽番組『ステージ101』で観たとある曲。
http://www.nhk.or.jp/archives/search/special/detail/?d=music010
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『ステージ101(いちまるいち)』は、
総合テレビで放送された大型音楽バラエティー番組。
[1970(昭和45)年1月〜1974(昭和49)年3月]
歌やダンスはもちろん、楽器もこなす精鋭メンバー「ヤング101」の
若者たちおよそ40名を中心に、国内外の名曲や番組オリジナルの歌を紹介した。
「涙をこえて」「怪獣のバラード」「若い旅」など、
この番組から生まれたヒット曲も少なくない。
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この中で放映された、『オレンジ』という曲。
一人の若者を皆が取り囲んで、
♪ 泥棒 泥棒 オレンジ泥棒
果物屋から オレンジ取った
そうだよ そうだよ お前が取った
お前が盗んだ
と、追いつめてゆく。
♪ 違う 違う
と、必死に抗う若者の声は打ち消され、
♪ ウソだよ いつでも ひもじいくせに
♪ お前の その手の 赤い染みが
動かぬ証拠だ 覚悟しろ
最後は皆で
♪ 縛り首だ 縛り首だ
と、フェイドアウトしたのだったと思う。
なにしろ当時私は地方に住む小学生で、
ミュージカルなど観たこともなかったのだが、
のちに思い返せば、一番最初に観たミュージカル的な歌と動きだった。
強烈な印象で忘れられない。
それは、皆に囲まれて、違うと言ってるのに犯人に決めつけられて、
たかがオレンジ一個で”縛り首”と断じられる怖さが衝撃的だったせいだ。
数十年ぶりに、それを連想してしまった。
調べてみたら、この曲は「ステージ101ベスト」というアルバムに収録されていた。
中古品しかないようだけど、久々に聴いて見たい気もする。
https://www.amazon.co.jp/%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8101%E3%83%99%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%82%B8101/dp/B0002883PE
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