『
リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』
まるでノーマン・ロックウェルのイラストから飛び出したかのような世界。
第二次世界大戦下、アメリカ西海岸を舞台に父が徴兵されたことを嘆く8歳の少年ペッパーと新たに近所に越してきた日系人ハシモトとの奇妙な関係を描く。
チビでいじめられっ子ペッパーにつけられたニックネームが『リトル・ボーイ』。
時代が第二次世界大戦中であることを考えれば、日本人としては少し微妙な気分を味わう。
そして予想したような展開。ある種の寓話と言っていいだろうか。
アレハンドロ・モンテヴェルデ監督がメキシコ人というのがミソか。
もしもアメリカ人監督だったらハナについたかもしれない。
出兵した父の無事帰還を願うペッパーはオリバー司祭から<願掛けのリスト>を手渡されて実行の努力をする。
一つ一つリストを消してゆくのだが、手助けになるのが敵国民である日系人ハシモト。
敵味方であっても、年の差があっても、理解し合えるという教訓を感じる。
成長に難があるペッパーも、偏平足の兄も、工場で働く片耳の大男も、異国で一人暮らす日系人もそれぞれがハンディを負って生きている。それが弱者への励ましにもなっている心温まる物語となる。
ひたすら信じるだけで願いをかなえようとは夢のある行為だが、現実はそんなに甘くもない。肉体的にはいつまでもおチビちゃんのペッパーだが、精神面では着実に成長する姿が感じられる。
前半はやや甘いものの終盤はグッときた。
少年ペッパー役に抜擢されたジェイコブ・サルヴァッティの自信なさげな顔つきが役柄にあっている。
導き役の司祭にトム・ウィルキンソン、母親にエミリー・ワトソン、日系人ハシモトのケイリー=ヒロユキ・タガワといった芸達者なキャストが脇を支える。
欲を言えばウェルメイドな作品なので謎のマジシャンにも何か仕掛けが欲しかった。
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