古いニコル・フレール製オルゴールのリストア作業ですがリピニングが始まったようです。
ランでシリンダーのピンが折れたり曲がったりした場合は、すべてのピンを希硫酸で溶かしてしまってから新たにピンを植え直すという根気の必要な作業をしなければなりません。
写真1はオルゴール全体、製造番号が19167と若く、1840年頃の全盛期に作られたオルゴールです。ニコル･フレールの作品の中でも優れた編曲が施され、良く響く音質を持っているとされています。残念ながら蓋と左側のエンドフラップは近年になって取り替えられたもの、本当はエンドフラップの底に蝶番が付くのですが、省略されていて外れてしまいます。お願いしている工房では木工作業をやらないので、日本の工房にお願いする予定です。
写真2はすべてを分解した状態、シリンダーはまだピンを溶解していない段階です。シリンダーの内側に詰めてあるセメントは、180年近い経年で収縮して機能を果たしていなくて、音がシャラシャラという軽薄なものに変わってしまっているはずです。
写真3はリピニング作業を始めたところ。リピニング用のピンはこのように大変長いものなんですね、仕上げ研磨を終えて完成すれば高さが2�个睫気い里任垢�。この調子だと8月中に完成しそうです。出来上がったら録音してUpしたいものです。
ログインしてコメントを確認・投稿する