『
ヤング・アダルト・ニューヨーク』
脚本初心者向け教室では<半径5メートルの問題>をか扱うように勧められることがあるとも聞く。
誇大妄想な大風呂敷では他人事で実感がわかないのだ。
その意味では『フランシス・ハ』のノア・バームバックの紡ぐ話は確かに身近なものに思える。
日本でもそうだがアメリカでも世代間のギャップは激しいようだ。
生まれた時からパソコンや携帯電話が身近にあるのと各家庭に浸透してきた経緯を知っている世代では考え方に違いがあっても不思議ではない。
何でも米国では1961年から1980年に生まれた世代をジェネレーションXと呼び、1990年から2009年までの世代をジェネレーションZというのだそう。
そうした違いのある二つの世代のカップルが同じ町で交差する。
NYのブルックリン、処女作こそ評価されたものの次が難産のドキュメンタリー映像作家ジョシュ(ベン・スティラー)と映画プロデューサーでもある妻のコーネリア(ナオミ・ワッツ)。
40代になってもまだ若いと思ってはいるが、子供のいない彼らは周囲の子育て話に少々ウンザリ…。
生活のために講師を務める教室で出会った映像作家を目指す若者ジェイミー(アダム・ドライバー)と妻のダービー(アマンダ・サイフリッド)。
世代を超えて仲間のように意気投合して行くのだが…。
現代社会とは切っても切り離せないスマホやSNS。調べるにも本は使わず、音楽もデジタル活用の簡単便利な生活。当然のようにジョシュらはそれらの文明機器に縛られて生きている。
無理して若ぶっているベン・スティラーの痛い大人っぷりが堪らない。(苦笑)
一方で、若いジェイミーとダービーの暮らしぶりは時代が遡ったかのようなアナクロな生活。
「昔は良かった」、よく聞く言葉で「もう新しいものは生まれない」なんてクサす言葉すら定型文だ。
偉大な先人たちには敬意を示しても、あとから出てくる世代には厳しいものがある。
のし上がるための手法の是非の問題だろうか。
成功の意味するところが結果ならばショートカットやチートは正当化されるのか。
自分がどちらの世代の立場で眺めるかによって結果が違って見えるかもしれない。
その辺の境界線の曖昧さに監督の思惑を感じる。
ノア・バームバック監督らしいヒット曲のセレクトがキマっている。
彼がインテリなのは批評家受けしそうなタッチからもよくわかるが、一般受けは『イカとクジラ』や『フランシス・ハ』ほどではない気がした。
試写会@アスミック・エース試写室
7月22日より公開
ログインしてコメントを確認・投稿する