『
殿、利息でござる!』
格差社会、限界集落の窮地に立ち向かったアイディアがこんな昔に実現していたとは…。
江戸時代中期に本当にあった出来事を題材にとった『無私の日本人』(磯田道史著)を中村義洋監督がユーモアたっぷりに映画化。
歴史映画としても十二分に楽しめると思うが、単純に娯楽映画として楽しめた。
名誉欲を満たすため無駄な出費で財政が厳しくなり、庶民からさらに巻き上げようとするなんて大昔の話とは思えないくらいに今日性を持つ。
貧困にあえぐ農民たちなのに、逆に藩に大金を貸し付けてピンチを切り抜けようという奇策には思わず膝を打つ。
しかし、アイディアは思いついても実行が伴わなければ<絵に描いた餅>。
まず、その大金をいかに集めるのか?
そもそも前代未聞の“藩への貸付”なんて許されるのか?
幾度となくくじけそうになりながらも力を合わせハードルを越えてゆく姿に応援したくなる痛快劇。
政治的な側面だけでなく、主人公・十三郎の親族間の確執や秘密が面白味を持たせている。
阿部サダヲはじめ曲者ぞろいの俳優たちを用意し、緩急つけた中村演出も見事なもので、笑って、泣いて、最後には考えさせられる。
殿さまに意外な人物がキャスティングされているが、けっして映画の興行面だけでなく<彼が何を象徴しているのか>を考えると意味深な意図も感じたりした。
過去から学ぶという意味では、庶民だけじゃなく、安易に増税をうたう政府や金のかかるイベントが控える行政のトップも見たらいいのではないか。
もちろん自分の懐からね。(笑)
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