私の母は84歳ですが、「死」というものについて強い興味を持って哲学的な話や仏教的な話を好んでします。そして時々言うのが同年代のお年寄りが「死」というものを恐れ怖がって、決してそういう話題について話したがらないということです。
母に言わせると避けられないものであって目の前に迫ってきていることなのだから興味を持って深く考えてみることが必要なのではないかということらしいです。母の父、つまりおじいちゃんはお寺の出自なので母も何となく仏教的な考え方に親しんで育ってきたせいなのかもしれません。
そして普通のお年寄りは「死」などというものは普段の生活では恐れていて考えないようにしているということなのでしょう。
私の母は特殊なのかもしれませんが、年老いて「死」というものをしっかりと見つめて考え抜いていくという姿勢は大切なように思います。死の先に何があるのか、死と別れというものはどうして人に与えられて逃れることが決してできない仕組みになっているのか、それだからこそ生きている間はどういう思いで「生」を全うしなければならないのか。「死」という運命は生きることを支えている部分があるように私は思います。
ログインしてコメントを確認・投稿する