『皆はこう呼んだ「鋼鉄ジーグ」』@
イタリア映画祭2016
今年もまたイタリア映画祭の季節です。
今回は絞りに絞っての鑑賞。
日本製アニメが世界を席巻しているが、それは今に始まったことではない。
イタリアで永井豪のロボットものが人気を博していたことを知っているものも少なからずいよう。
当時、『UFOロボ・グレンダイザー』の人気は極めて高く、同じく永井豪という名前も知られたようだ。
そんな永井豪がらみのロボットアニメ
『鋼鉄ジーグ』からインスピレーションを得て作られたイタリアでは珍しいヒーロー映画。
ヒーローものといえばハリウッドのオハコだが、イタリアの映画業界事情は少し違うようだ。
ハリウッドと違い、イタリアでは肉体改造してまで役作りってあまりしないらしいが、それはネオレアリズモの影響もあるらしい。
しかしながら本作で主演俳優のクラウディオ・サンタマリアは
20キロ増量して挑んだという。
盗みで生計を立てていた一匹狼でチンケなエンツォがふとしたことから人間離れした力を手にしてしまう。
エンツォが育ったローマ南部は決していい環境とは言えず、悪に染まるのも無理からぬことという背景も感じさせる。
ありきたりなヒーローものなら、「何ものかに与えられた力の使い道」で葛藤して…となるのだろうが、このエンツォ君は悩まない。
「よし、これで楽に犯罪ができる」と意気揚々と犯罪を重ねる。
役作りで熊を意識したというように、ごつくてイケメンではない。
しかし、エンツォに訪れた運命的な出会いが転機となる。
『鋼鉄ジーグ』の大ファンで、いつか自分や世界を救う鋼鉄ジーグの主人公「司馬 宙(シバヒロシ)」の出現を信じている女性アレッシア。
心にトラウマを抱える彼女が勝手にエンツォを司馬 宙に見立ててしまうのだ。
育ちが悪くずっと他人とかかわらずに引きこもり、自堕落な生き方を良しとしていたクズのような男が自分の殻を破ろうとする姿に心動かされる。
ヒーローものとしては「巻き込まれ型」なんだが、ダメなヤツでも人生を変えられるチャンスがあるという点が普遍性を持つ。
適度にユーモラスなところも緩急となっていて効果を生む。
劇中ではイタリア語吹き替えだが、『鋼鉄ジーグ』の映像が流れるのも胸熱。(笑)
『鋼鉄ジーグ』ファンもそうでない人も…。泣けるよ。
ガブリエーレ・マイネッティ監督と主演のクラウディオ・サンタマリア(帽子の人)が登壇。
本当に同じ人かと思うくらいに痩せていた。(こちらが本来の姿なんだろうな)
何でも前日には関係者での試写があったそうで、そこには永井豪先生も来賓としてよばれたそうな。
で、今日も質問に出ていたが、その時もフェリーニの『道』みたいだと言われたらしい。
ただ、監督は参考になった作品は別だと教えてくれました。
(タイトルは伏せておきます。ネタバレになりそうなので…)
5月3日にリピート上映あり。(大阪は5月8日)
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