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2016年04月09日21:13

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NTLive2016『橋からの眺め』

『橋からの眺め』@NTLive2016

 シドニー・ルメットにより映画化もされているアーサー・ミラー戯曲の舞台化。
シンプルな舞台装置が印象的な演目。
白いスクエア状の床に出入り口が一つある壁面がそびえるのみ。
NTLiveの演目としては上映時間が短い部類に入るだろう。(休憩がないのは珍しい)

 1950年代ニューヨークのブルックリンが舞台で、波止場近くのイタリア人街での話。
イタリア系の移民で波止場労働者のエディは亡き義姉に代わって妻と共に姪キャサリンを我が子のように育てている。
そこへ妻の故郷シシリアから従兄たちがアメリカに職を求めて不法渡航をしてくる。
平穏だった家庭は、その日を境に一変する。

 不法移民に頭を悩ませる今のイタリア社会を考えると、他国へ密入国するというのは何とも皮肉な状況に思える。
また、移民で成り立つアメリカの移民への扱いも現代とリンクするようである。
若くて無知な少女キャサリンが大人への階段を早く駆けあがりたいと願う気持ちは、現実の厳しさに盲目的となることも不思議ではない。
不法就労目的の兄弟は性格も外見も対照的に描かれるが、片方が正しくて他方が間違っているというわけではなく、どちらの側面も我々は持ち合わせていることの象徴に他なるまい。
誰しも若いころには甘い夢や淡い希望を抱いていただろうが、思わぬ躓きを経験するのもよくあること。
イタリアが父系社会でファミリーの絆の強さで知られることも“自由の国・アメリカ”でのねじれを浮き彫りにしているのか。
希望と結果の落差には考えさせられる。
シンプルな舞台装置ゆえに一際効果ある演出には目を見開かせられた。

 人気上昇中のマーク・ストロングが一家の悩める家長エディをストロング(笑)に熱演。
大人になってみれば彼の視点はもっともであるが、対立する立場も理解できる。
エディの性衝動が作品の解釈の一つとなるようだが、やや唐突に思える印象も受けた。

 ユニークなのは、冒頭からずっと舞台に出ずっぱりでナレーターの役割を持つ弁護士の存在。
法律に順守する立場ゆえ、“世界の秩序”を示していたのだろうか。

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4月12日(火曜)、18:45開場(19:15開映)
渋谷区文化総合センター大和田6階『伝承ホール』にて。

 初めての場所なので勝手がわかりません。
興味があり、少し早めに来られる方がいらっしゃいましたらメッセージをください。メール
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