『
ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』
老いの問題は誰しも避けられない。
長年住み続けて愛着ある物件でも、老後の不便さと天秤にかけると引っ越しが潮時と思うのは自然なこと。
子供のいないアレックス(モーガン・フリーマン)とルース(ダイアン・キートン)のカーヴァ―夫婦がエレベーターがない以外は理想的な自宅アパートの売却騒動を通して、NYの変遷やアメリカ社会の問題を描き出す。
今の時代を反映してかイスラム系男性のテロ騒動も織り込み、予定調和の中に隠された社会性が感じられる。
初共演というモーガン・フリーマンとダイアン・キートンの組み合わせが新鮮。
愛犬ドロシーの病気・入院が自分たちの老いと重なる演出はありがちではあるが、効果をあげている。
NYの不動産関係の駆け引きや仕組みは中々興味深い。
アレックスが画家であるのは、いわゆる衣食住といった基本的な必要事項ではなく、社会の熟成度と関係しているのだろう。
不必要なものが多い社会ほど豊かだと誰かが言っていた記憶も…。(笑)
アパートとの想い出を紐解きながら
異人種間結婚がタブーだった過去が語られ、比較するようにイスラム系が差別される現在の人種差別の実態をNYという象徴的な町でみせる。
アレックスの最後の表情にはマンハッタンの未来が映って見えていたに違いない…。
軽快なタッチも作品には合っていると思うし、<
虹の彼方にある理想の地>がどこなのか読める展開も問題ないのだが、それならばもう少しキレイに伏線回収をして欲しかった。
不動産エージェントをしている姪のリリーには大いに同情。(笑)
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