なるほど、そういうことか。
タイトル詐欺なんていう極端な説が流れていたので心配していたが、メルヴィルが『白鯨』を書き上げるまでの闘いを描いているのだな。(笑)
ま、冗談はそれくらいにして…。
『
白鯨との闘い』
メルヴィルの小説『白鯨』はグレゴリー・ペック主演で映画化されたが、これはその取材過程の逸話を描いた作品で名著に隠された史実に驚く。
メルヴィルに扮するベン・ウィショーに生き残った船員ニカーソンが渋々語る顛末はどこまで事実なのかは不明だが、捕鯨船エセックス号の裏話に引き込まれる。
化け物のような白鯨に闘いを挑むシーンよりも、その後のサバイバルの闘いこそが見所だろう。
決定的なシーンを曖昧にしているのはレーティング問題か?
しかし、あの程度の規模の船で何か月も何年も漁に出ていたというのは驚きだ。
ベースにあるのは今も昔も<油>をめぐる争いを起こしていることへの批判だろうか。
食料として捕鯨する日本人を非難する米国人は油のためだけに捕鯨していた。
その皮肉は思わぬ形で現れる。
船長ジョージ・ポラードと一等航海士オーウェン・チェイスとの対比が中心となるが、ボンボンでひ弱だと思っていた船長の成長物語の側面も感じられ、気骨感ある発言に胸がすく思いも…。
思えばロン・ハワード監督は『ラッシュ/プライドと友情』でも熱い男の友情を描いていた。
そのつながりか、一等航海士にクリス・ヘムズワースがチョイスされている。
いかにも肉体労働向きの体つきだが、それゆえ後半の落差が効果的である。
ダイナミックな構図や大海原の描写が力強く、鯨のCGも真に迫る。
人間の傲慢さをあざ笑うかのような鯨の大きな瞳はこちらを圧倒する。
捕鯨を支えるスポンサーとの軋轢は現代社会にも共通する企業戦士の悩みだな。(苦笑)
少し気になっていたのだが、ニカーソンは何十年も昔の鯨油をよく残していたものだ。
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