少し前に公開されたのだが、やっと名画座系で鑑賞できた。
『
イマジン』
盲目の人は起きた時に<目が覚めた>というのだろうか?
そんなことをふと考えながら、独特な音響表現を用いた本作を拝見。
リスボンの視覚障碍者の施設へ自身も盲目である新たな教師イアンが赴任してくる。
彼は白杖を突かずに外を歩こうという革新的な“反響定位”というテクニックの支持者。
指を鳴らしたり、口笛を吹いたり、靴音の反響などで障害物の有無を聞き分けようというのだ。
(なんだかコウモリみたいだな。)
しかし、旧態依然とした他の職員たちとは衝突を繰り返す。
また、彼の言うことを信じられない入居者たちも半信半疑。
特に引きこもりの女性エヴァは他の仲間と行動すら共にしようとしない。
目が見えないのは事故にあいやすいこともあり杖を使うのは常識だろうが、杖に頼ることとは障碍者自身が自立できないことにつながると考えているのだろう。
施設の中では安全だろうし、外でも白状を持っていれば他の人は視覚障碍者だと理解してくれる。しかし、それでは真の自由を手にできないのではないのかという問いかけだ。
杖なしで歩くコツは反響音の分析も大切だが、想像力を働かせることも肝要。
これは何も物質的なことだけに限ったことではあるまい。
見ているこちらも一緒に感じられるように、カメラアングルに仕掛けがある。
画面には彼らの歩いてきた後方(過去)は見えてもこれから歩む先の未来は極力映さない。
また周囲を見渡せないように足元だけ俯瞰で見せるなど工夫を感じる。
健常者も一緒になって相手の立場を考えてみることができるのだ。
言いたいことは古典的ではあるが、かたくなだったエヴァがイアンの方便に気がつき<目が覚める>瞬間は見どころ。
この日はバリアフリー上映ということで、視覚障碍者でも楽しめるように音声ガイドも使用されていたようだが、普段のテレビ番組とは違ってセリフも情景描写も共に聞き取らないとならないのは大変そうだな。
(実際はどう聞こえるのかは不明)
盲導犬を連れた方もいた。
(予告編がなかったのは、どこから本編が始まるか紛らわしいから割愛したのだろうか)
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